平成25年第2回定例会 6月5日 一般質問
■平成25年第2回定例会 (6月3日~6月13日)
平成25年度第二回定例会一般質問で、近藤さえ子は以下の質問を行いました。(6月5日)
● 男女共同参画基本計画2012の着実な推進について
昨今、家庭内暴力や児童虐待などの悲しい現状が多く伝わってきます。どうすればそれらを防げるのか、あるいは、最悪の事態を招かなくて済むのか。
個々の人権を考え、人権を尊重し、暴力を許さない意識を高めるために、私たちに今できることは何か?この視点から質問をしたいと思います。よろしくお願いいたします。
男女共同参画基本計画2012の着実な推進について
「一人ひとりが多様な生き方を選択でき、人として大切にされる社会の実現」を基本理念に掲げ、中野区では昨年、男女共同参画基本計画2012を策定しました。
また4月には、庁内の連携強化を目的として、男女共同参画センターを本庁に移しました。男女共同参画基本計画2012では「人権を尊重し、暴力を許さない意識を高めていくとともに、暴力被害への支援体制を強化する」課題が取り上げられています。本庁に男女共同参画センターを移したことで庁内の連携・他機関との連携は深まったのでしょうか。
① かつて男女共同参画センターが行っていた女性のための悩み相談、女性のための法律相談業務は現在どうなっているのでしょうか。
以前のようにゆったりとした気持ちで相談が受けられるような個室の体制はできているのでしょうか。
大勢の区民がそれぞれの目的で行き来する区役所1階の男女共同参画センターの窓口には行きにくい、プライバシーが守られるか心配等、相談を継続したいが、どうしてよいかわからない。などと言う区民の声も聞こえてきます。
② 個人的な相談の環境は低下していないのでしょうか。
③ また、男女共同参画基本計画2012では、配偶者暴力相談支援センター機能を整備すると書かれていますが、整備は進んでいるのでしょうか。
④ 計画では事業例に女性への暴力防止に関する講座の実施とありますが、どのような講座を計画しているのでしょうか。
⑤ 男女共同参画基本計画2012には「区におけるDV相談件数は平成23年度426件と6年前の1,2倍と増加傾向である」となっていますが、中野警察・野方警察両警察の被害者支援ネットワークに区役所では、保健福祉部、都市基盤部、子ども教育部、すこやか福祉センターなどと共に会員になっていると認識していますが、男女共同参画センターはどのような係わりをしているのでしょうか。情報交換、連携体制は取れているのでしょうか。
⑥ また、男女共同参画基本計画2012の実業例に学校向け「デートDV」防止出張講座の実施をあげてありますが、この企画は警察との連携事業なのでしょうか?
平成20年度から4年間、区の人権への取り組みの講座が区内中学校で実施されました。平成23年度にはNPO法人レジリエンスの講座を9校で、医師であり前教育委員の山田先生の講座が1校で、保健師の講座が1校で実施されました。
私はNPO法人レジリエンスの講座を参観させていただきましたが、この講座は、男女間の付き合いにかかわらず、日常どこにでもある行動を例にDV被害、いじめの被害をなくすことを学ばせ、人と人とのコミュケーションの取り方を中学生に学ばせる大変良い講座でした。
近年、警察でも自殺防止、いじめ防止などの観点から「命の教育」に取り組んでいますが、ただその日だけ外部から講師をお連れしてきて、その一時間だけ「命の大切さ」などをお話をしていただくと言う形では、なかなか生徒たちの心には響きません。この教育委員会が取り組んだレジリエンスの講座は教育委員会が、今の生徒たちに、何を伝えなくてはならないかをしっかり理解し、準備して取り組んだ授業だったので、生徒たちの心に響いたのだと思います。
⑦ 生徒たちの実際の生活を題材にして「人と人のコミュケーションの取り方」、「人の心にも、身体にも、思いやる心を持つことの大切さ」を生徒たちに考えさせるこのような取り組みは、今の中学生たちに、とても必要な授業であったと思いますが、なぜ1年でなくなってしまったのでしょうか?
⑧ また、今後の男女共同参画基本計画2012の中の事業例に挙げている学校向け「デートDV」防止講座とはどのようなものを考えているのでしょうか。
5月20日、私は仙台市で、宮城県犯罪被害者支援連絡協議会の平成25年度総会に参加し、講演をしました。この宮城県の組織でも、中野区の犯罪被害者等相談支援窓口の取組みは高く評価されていました。
この総会は、宮城県知事を会長として、仙台地方検察庁・仙台法務局・仙台保護観察所、県保険福祉部、県福祉部女性相談センター、児童相談所・教育庁、医師会、弁護士会、みやぎ被害者支援センター、警察本部等の50人が出席されました。今年度は住宅問題の重要性から国土交通省東北運輸局が新たに加わりました。
この協議会では、DVの被害、児童虐待、交通事故の被害、悪徳商法の被害、震災被害への対応など、あらゆる人権侵害に関する被害に対して、警察本部が中心となり、行政・民間が一緒になって、支援の在り方・支援体制について常に勉強し、情報を共有しています。
同じ協議体は全国の都道府県にありますが、宮城県は連携体制がきめ細かく取れています。警察・行政の多くの分野・民間の参画機関・団体の適正な役割分担の元で、適切な支援活動が行われているのです。
1例をあげますと、学校などで、未遂事件も含めて、事件・事故があった時は、「被害者支援連絡会」の参画機関である教育関係部局から速やかにスクールカンセラーが派遣され、福祉部局からは保健師が派遣されるなどして、生徒の精神的ダメージの軽減に努め、長期的なケアが必要な場合には、被害者支援センターが当たり、素早く適正な支援体制が構築されています。
私は、各機関、団体が連携し、速やかに行動がとれることの大切さを改めて実感しました。
東京都にも同じ組織体はありますが、人口が多いこともあり、東京都の犯罪被害者支援協議会は、きめ細やかな支援へ結びつくまでの組織になるのは難しいと感じています。
そこで、東京では先ほど申し上げた身近な警察署が取り組んでいる犯罪被害者ネットワークなどの組織を有効に働かせることが大切であると考えます。
住民に一番身近な自治体において、警察・行政の多くの分野・民間の参画機関・団体の適正な役割分担の元で、情報を共有し、適切な支援活動が行われることが望まれます。
男女共同参画センターが移転したこの機会に、他団体との連携、警察・他行政機関・区役所各部署、民間団体、たとえば弁護士会・医師会、保護司会、行政書士会など多くの支え手の連携を深め、区民の人権尊重と暴力を許さないと言う意識を高めるとともに、しっかりとした支援体制の構築を願い、私の質問を終わります。
その他はありません。ありがとうございました。