私の議会報告

平成26年第1回定例会 3月25日 反対討論

■平成26年第1回定例会 3月25日 反対討論

平成26年度第一回定例会反対討論で、近藤さえ子は以下の質問を行いました。(3月25日)

「中野区自治基本条例の一部を改正する条例」に反対の討論


中野区自治基本条例の1部を改正する条例に反対の立場で討論をいたします。
この議案は中野区自治基本条例から区長の多選自粛の規定を削除するものです。

中野区自治基本条例は田中区長1期目の2005年4月に施行されました。

法令の規定に根拠を置く、いわゆる委任条例ではない区の自主条例で、区民の自治と参加を基本に区政を運営していくことを定めました。審議会を設置し、パブリックコメントを求め、時間をかけ、議会で議論を重ねてこの条例を制定しました。当時、多選自粛の項目について、「区長の任期を定めることはふさわしくない」として審議会の答申の中には入っていなかったと報告されています。また、パブリックコメントでも多選自粛の項目を問題視する意見も複数あったと聞いています。議会でも反対する意見がある中、総務委員会での担当職員の答弁では「どんな優れた人でも権力が集中する職にあることによって停滞すること、それを極力さけると言うことで努力規定として必要であろうと判断した」と区の考え方を示しました。しかし区長は反対の声が多数あっても、自治基本条例に区長の多選自粛の項目を盛り込みました。そこには田中区長の多選自粛に対する強い意志が感じられました。

私は当選して間もないころでしたが、区長の多選自粛について、を条例に掲げることは、憲法上疑義があるといった見解もある中、わざわざ、第7条2項で、多選自粛規定を盛り込み、3項で、前項の規定は、立候補の自由を妨げるものと解釈してはならないと断る。と言う、わかりにくく、また、憲法で、基本的人権の保障、職業選択の自由等が定められているのに、わざわざ自治基本条例にこの2つの条文を掲げる意味は理解しがたく、自治基本条例の制定には反対しました。しかし、区は自治基本条例に盛り込むべき必要のない7条の2項、3項の条文を入れたまま、自治基本条例は制定されました。条例としてはおかしな条例ですが、区長の「多選を自粛することが必要である」と言う考え方には、多くの区民が共感しました。そして、そのことを訴えて田中区長は3期区長選を戦いました。

前区長の神山区長は、財政的な見通しのない計画を立てては、土地を買い続けてきました。神山区長の2期目は、土地をどんどん購入するも、予定通り実行された計画はほとんどなく、目的が達成されないまま、買ったけれど使えない土地に金利を払い続けてきました。「120億円をかけて区民のスポーツ施設を作る」と夢のような上野原スポーツ学習施設の計画などは、多くの職員たちも「その土地を買うべきではない」と感じていましたが、「区民にはスポーツ施設が絶対に必要」と思い込んでいる神山前区長の耳には自分の意見に反対する人の声は届きませんでした。それでも神山前区長は、3期目を無投票で当選され、その後も新たな土地を買い、さまざまな達成されない計画のために、区民の血税が、払われ続けてきました。このような区政運営の結果、神山前区長の3期目の平成8年には区の起債は約722億円にもなり、平成11年には起債が630億円、財政調整基金が170万円にまで枯渇してしまいました。区民サービスは次々に削減されていきました。また、予算の30%以上が人件費に当てられていた状況化、中野区は人件費の払いと借金を返すために借金を繰り返す、財政破たんの状態となっていました。

当然、区政には活気も活力もない状態でした。その活気のない状態の中、池田氏、石神氏、菅野氏らと行政改革を担当していた田中区長は、職員をお辞めになって、活気ある区政にするためには、区長選に挑まれました。最悪な財政を立て直すには、住民自治の力を生かすしかないとお考えになったのでしょう。だからこそ、当選して、まもなく自治基本条例を策定しました。職員として区長に権限が集中していることの怖さ、長期政権の腐敗を内部から見てきたからこそ、憲法上の疑義との見解と直面してまで、区長の多選自粛の項目を自治基本条例にいれたのだと思います。

区民は自治基本条例で区長と約束した通り、区民活動センター、町会や、高齢者会館等、住民自治の力で働き、中野区を支えてきました。自治基本条例は自治体の憲法とも言われている条例ですから、活気ある区政運営をするために必要だとなれば、区民は忠実に自治基本条例を守って今まで職員が担ってきた仕事も自分たちで担ってきました。一生懸命田中区政3期を、自治基本条例の精神に則って支えてきました。制定された当事者である区長も当然守る努力をするべきでした。

しかし、2月17日の施政方針説明で、区長は、中野区自治基本条例の中の「3期を超えて在任しないように努力するべきとの規定は重いものがある」とおっしゃりながらも、様々に考慮をした結果、4期目に出馬をすることを表明されました。

条例で区民と約束し、且つ、選挙公報でも、区政改革の大きな柱として「区長在任を3期までとする多選制限」と、掲げていたにも関わらず、これを守らなければ、区民は政治不信になってしまいます。そして、ここまでの経過だけでも十分、驚きましたが、さらに、3月12日には、3期を超えて在任しないよう努めるとした項目を削除するこの第27号議案を上程されました。

多選自粛を掲げて当選された政治家として、区民への説明責任も果たさず、3月12日に上程し、議会で審査する時間さえもない本日25日に条例を改定してしまうとは、あまりにも区民参加を掲げた自治基本条例の趣旨そのものに反します。自治基本条例で「区民の参加を保障する」とこれも選挙公約で約束したのではないですか。多選自粛の約束も破り、区民参加の約束も破ってしまう。このような行為こそ、自治基本条例を作った頃の区民と一緒に新しい中野区を作ろうと思っていた気持ちとは全く反対の権力にモノを言わせて何でも自分の都合の良い方に決めてしまう長期政権の弊害であると思います。

もし、中野区自治基本条例から、区長の多選自粛の項を削除するのでしたら、その時期は、今ではなく、田中区長がご自分で作られた条例を守り、3期で区長をお辞めになった後、次期区長が、憲法によって立候補の自由は保障されているので、「7条2項と3項をわざわざ条例に入れる意味はない」と判断したとすれば、区長の多選自粛の項目は削除されるのです。
以上、政策的にも、政治的にも、手続き的にも、常識的にも、今、この時期に区民不在で、中野区自治基本条例から区長の多選自粛の項目を削除することには賛成するできないことを申し上げて、反対の討論といたします。

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