平成26年第1回定例会 7月2日 一般質問
■平成26年第2回定例会 7月2日 一般質問
平成26年度第一回定例会一般質問で、近藤さえ子は以下の質問を行いました。(7月2日)
1.区長の所信表明について
2.公教育の充実について
1.区長の所信表明について
先日の所信表明で区長は、今回の選挙結果は、これまで区民が力をあわせて作り上げてきた成果を、これからも共に前進させていこうと言う、力強い区民の意思の表れであると受け止めております。と発言されていました。確かに区民は、区長が策定した自治基本条例に則り、自分たちができることは、自分たちの力で、努めてきました。2000人体制に向かう中野区で、今まで職員が担ってきた仕事も住民自治の力で担ってきました。しかし、今回の選挙の結果は、区長がおっしゃるような、これからも共に前進させていこうと言う力強い区民の意思の表れとは、残念ながら私には思えませんでした。もし力強い区民の意思の表れであったとしたら、力強い意志を表している区民の数は少なさすぎます。投票率が低すぎます。前回の30.28%を下回る29.49%と有権者の3人に1人が投票に行っていない選挙に、区民の区政への関心の低さを感じます。また、田中区長が票を前回より4500票ほど減らしていることも、力強さは感じられません。多くの区民が区政への関心がないように思えます。
ご見解をお聞かせください。
また、先日、私は、建設委員として中野区シルバー人材センターの定期総会に出席しました。区長・議長もご多忙なところ、ご出席されていました。私は、来賓として壇上から降りた後に、ロビーのモニターで事業報告等を聞かせていただきました。会員の方からは、当日の参加者の少なさを問う声がありました。その点を尋ねられた会長からは、区民の区政への関心が薄れているのかもしれないと言う趣旨のお答えがありました。また、会長は、このようにもおっしゃっていました。「言い方が適切ではないかもしれないが、関心がないと言うのは、区民が安心して区政を任せていると言う意味もあり、悪い事ではないのではないでしょうか」と言う趣旨でした。
そのように考えると、今回の区長選の結果は、少数の今後も力強く区長と共に区政を前に進めていこうとされている区民と、そのようには考えなかった区民と、ほとんどの、区政にあまり関心がない区民、或いは、行政にお任せ状態である区民等の投票行動の結果とも言えそうです。
しかし、区長も、所信表明の中で、全ての区民が参加し、支えあえるまちの構築が経済の活性化を守り、持続可能な地域社会を構築するためにも唯一の方法であると考えます。とおっしゃっていますが、今後の超高齢社会を支え合うには、区民の区政への参加がかかせません。選挙の結果は想像の域を超えませんが、現実問題として、民生委員さんの欠員、次世代委員の欠員、町会の加入率の伸び悩み等を鑑みても多くの区民の参加と信頼を経て、力強く区民と共に中野区を発展させることは、容易なことではないと思いますが、ご見解をおきかせください。
今回、また基本構想の見直しが行われ、2000人体制に向かう限られた職員体制の中で、構想策定事業に時間を割れていきます。超高齢化社会への対応が待ったなしの状況にある中、力を入れている高齢者施策は健康つくりと地域の支えあいしか見えてきていません。地域包括ケア体制等は構築されるとおっしゃっていますが、施策構築にスピードが必要です。喫緊の課題である高齢者施策にしっかりと職員等の資源を振り向け、スピーデイに取り組んで行かなければならないと思いますが、ご見解をお聞かせください。介護サービース、高齢者施策において自治体によって差が開いていく時代が訪れる日が遠くないのです。中野区が高齢者施策において他の自治体に、取り残されてしまうことの無いようにお願いしたいと思います。
最後に、所信表明で区長は、何よりも全体の奉仕者として、公正公平を旨とし、未来を見据えて、誠実に課題と向き合い、幅広く議論を受け止めていくこと、議論を経て決まったことは着実に実行する、そしてその結果について、多方面のからの評価を謙虚に受け止め次に生かしていく・・・。これまで以上に誠実・着実・謙虚を心掛けていきたいと考えておりますと、おっしゃっていましたが、ぜひ、このお気持ちを忘れずに、たえず、区長が全体の奉仕者として、公正公平を旨として誠実な区政運営に務めてくださることで、区政に参加する区民が増えることに期待しまして、この項の質問を終わります。
2.公教育の充実について
6月10日、大阪市教育委員会は、一定レベルを超える問題行動を繰り返す児童・生徒に対し、一時的に在籍校から引き離し特別な指導をする特別教室を新設することを決定しました。
激しい暴力・恐喝・窃盗・著しい授業妨害などの問題を起こす子どもを在籍校から別の場所に集め、問題行動の対応に豊富な経験を持つ教職員の配置などをして、社会のルールの大切さや他者を思いやる心を育てるなどしていく考えです。
「生徒をランク付けする」「子どもの排除に繋がり、生徒が可愛そうという」との意見もありますが、一部の生徒の行動により、先生が授業できない、勉強したい意欲のある子どもたちが、学校で学べない状態になってしまっている現状が認識された形です。橋下大阪市長は「まじめにやろうとする生徒がバカを見ることはあってはならない」と話しています。
私は過去の総括質疑の場で、この問題を取り上げました。その中で、からかいなどのいじめに合い、学校に行きたいが行けず、不登校になった生徒が別の場所で勉強することになり、授業を妨害するなど問題行動を起こす生徒は堂々と学校生活を謳歌しているのはおかしいのではないかと言う趣旨の発言をしました。その時は、教育委員会や議会では相手にされない雰囲気でしたが、今回の大阪市の流れは、私が以前から疑問に思っていた考えをより厳しく具体的な仕組みとして考えだされた方法の1つであると思います。「真面目に授業を受けたい多くの児童・生徒の授業を受ける権利を最優先に考える」と言う点は評価できます。
では、中野区の公教育現場の現状はどのようになっているのでしょうか。私はこの10数年にわたり、中野区の学校の現場を実際に見てきましたが、生徒の悪ふざけなどで授業が中断されるケースもあり、保護者の方から、「もう少し落ち着いて授業を受けさせたい」と言う声が何度も寄せられました。
近年は特に、自ら率先して問題行動を起こす児童・生徒が目に付くようです。複雑な家庭の事情を抱え、そのストレスを学校で晴らそうとする児童・生徒、心身に何等かの事情を抱え、自分をうまく表現できないことに苛立つ児童・生徒、学習面で授業について行けていけず、授業を受けることに耐えられない児童・生徒、など、問題行動には、それぞれ複雑な要因があるように感じます。
区は対策として、学校経営補助員の配置、教育委員会から職員の派遣など、様々な施策をされて来たと思いますが、今後なお一層、真面目に授業を受けたい多くの児童生徒の授業を受ける権利を最優先した取り組みに力をいれていただきたいと思います。ご見解と具体的な取り組みがあれば教えてください。
私は8年前、私費でフィンランドの学校を視察しました。フィンランドでは、問題行動を起こした生徒や学力が基準に達していない生徒等は、一般の授業とは別の部屋で特別に授業をしていました。フィンランドの学校の特別授業では、高い専門知識を持った方のサポートが受けられます。
このように、予算を付け、専門の指導ができる人を問題を抱える各学校に配置できることが理想ですが、それが難しいようでしたら、まず1例として、教育委員会が、教員OB、学生ボランテイアなど多くの人に協力を呼びかけ、学校内での特別授業の実施や、問題行動を起こす児童・生徒たちに社会性、道徳心などを育てるための取り組みを始めることが大切だと考えますが、いかがでしょうか。
真面目に授業を受けたい児童・生徒の学習する権利を保障し、問題行動を起こす児童・生徒に対して各学校任せだけではなく、教育委員会として、社会や学校でのルールの大切さを指導する体制を構築しなくてはならないと考えますが、ご見解をお聞かせください。