平成27年第3回定例会 9月25日 決算特別委員会 総括質疑
■平成27年第3回定例会 9月25日 決算特別委員会 総括質疑
1、中野区スポーツ・コミュニティプラザについて
2、職員2,000人体制について
1、中野区スポーツ・コミュニティプラザについて
中部スポーツ・コミュニティプラザは、当時、(仮称)中部地域スポーツクラブという名前で仲町小学校跡地に中部すこやか福祉センター、地域包括支援センター、仲町就労支援事業所、相談支援事業所とともに、築39年の校舎を8億円かけてスーパーリフォームした地域密着型複合施設の中に整備されました。仲町小学校が閉校になったのが平成20年3月、中部すこやか福祉センターが開設されたのが平成20年7月です。(仮称)中部地域スポーツ施設が3年間のモデル事業を終えて、中部スポーツ・コミュニティプラザとして正式に開設の運びとなったのは、ことしの3月です。
〇なぜ中部スポーツ・コミュニティプラザは仲町小学校閉校から7年、他の施設から5年もおくれて開設されたのでしょうか。
〇永見健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当)
平成20年3月の仲町小学校の閉校後、同年4月に中野区の地域スポーツクラブ構想を策定いたしまして、その構想に基づいて、翌21年12月に中野区地域スポーツクラブ設立基本計画を策定したものでございます。同計画に基づきました運営主体の設立に当たって、平成22年5月に設立準備委員会を設置いたしまして、さまざまな検討を行い、平成23年3月に中野区地域スポーツクラブが設立されたものでございます。その後、中野区地域スポーツクラブが施設を運営していくための検討を重ねていく中で、本格実施に先立ってモデル事業を実施し、事業の効果検証を行うこととし、平成24年度から26年度にかけてモデル事業を実施してきたものでございます。モデル事業の実施による効果検証を経まして、本年4月から中部スポーツ・コミュニティプラザとして正式に開設したものでございます。
○近藤 (仮称)中部地域スポーツ施設から、中部スポーツ・コミュニティプラザと名前が変わりました。この変化はどのようなことを意味するのでしょうか。
○永見健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) 中野区スポーツ・コミュニティプラザという名称が示しますとおり、施設の貸し出しを主たる目的とする運動施設とは異なり、健康づくり・スポーツを通じた地域住民のコミュニティ形成の場、また交流拠点として位置付けたものでございます。
○近藤 現在はどのような方が利用しているのでしょうか。年齢、地域等について教えてください。
○永見健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) 平成25年度のモデル事業時の実績になりますけれども、子ども向け事業と大人向け事業に分けて集計いたしました。大人向け事業の参加者の年齢層といたしましては、20代から30代が32.4%、40代から50代が35.1%、60代が29.7%、70代以上が2.7%となってございました。
地域といたしましては、中部圏域の住民が71.9%、南部圏域が17.6%、その他の地域が10.6%ということでございました。
○近藤 6月30日の厚生委員会へ報告がありましたが、平成24年度、体育館の稼働率は14.6%、屋外運動場稼働率15.3%という低い稼働率から、平成26年度は体育館59.8%、屋外運動場稼働率51.2%と稼働率も上がりました。教育・講座事業も24年度、教室数33、利用率48.3%から、26年度は88教室、利用率73%と、利用率は上がりました。今年度の教室の利用率は84%と、体育館も70%と、年々利用率が上がってきています。その要因は何なのでしょうか。
○永見健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) 利用率、稼働率の上昇の理由ということですけれども、モデル事業の実施を通じました施設や事業の認知度の向上、また、チラシや区ホームページ等を通じた周知、中野区地域スポーツクラブのネットワーク、また、事業に参加していただいた方の口コミ等を通じて利用率、稼働率等が上がってきているものと認識をしているところでございます。
○近藤 反対に、多目的ルームが今年度もまだ12.4%と低い理由は何なのでしょうか。
○永見健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) 多目的ルームの稼働率でございますけれども、この多目的ルームにつきましても徐々に稼働率が上昇してきている状況ではございますが、体育館や屋外運動広場と比較いたしまして面積が狭く、部屋の構造の面からも用途が限られてしまうことが、他の施設と比較して稼働率が低い原因ではないかと考えてございます。今後、多目的ルームを使用した教室・講座の充実等により、多目的ルームのPRをしていきたいと考えてございます。
○近藤 そして、トレーニングルームは26年度、1日平均10人、27年度も1日平均14人と、利用されていない原因は何なのでしょうか。
○永見健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) トレーニング参加事業でございますけれども、トレーニングルームに設置したルームランナーやエアロバイク、筋力トレーニング機器など5種類のトレーニング機器を利用いただく事業でございます。このトレーニング参加事業の参加者につきましても、徐々に増加してきてはございますが、教室・講座型事業や団体参加型事業と比較いたしまして、認知度が低い状況にあると考えてございます。今後、トレーニング参加事業の内容や周知方法等を検討しながら、認知度の向上を図っていきたいと考えてございます。
○近藤 私は、昨年モデル事業を行っていた(仮称)中部地域スポーツ施設を見学させていただきました。そして数々の問題点を議会で指摘させていただきました。区民の多額の税金を費やしてせっかくつくった施設ですから、区民が利用しなければもったいなさ過ぎます。しかし、この施設がやっと区民に使われる施設になったのは、クラブマネジャーさんたちの大変な御尽力があったと伺っております。教室・講座の講師の手配から、3部制で約17人の受付スタッフを探してくるところから始まって、スタッフのローテーションづくり、古い設備を使っていることから来る利用者からのクレーム処理など、運営管理、ほぼ全て彼女たちが担っているように聞いております。今日、中部スポーツ・コミュニティプラザが存在するのは、クラブマネジャーさんたちのおかげと言っても過言ではないと耳にしておりますが、どのような状況なのでしょうか。
○永見健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) クラブマネジャーでございますけれども、文部科学省が構想しております総合型地域スポーツクラブにおきまして、事業体としてのクラブ全体のマネジメントを担う人のことでございます。中野区地域スポーツクラブにもクラブマネジャーが配置されておりまして、地域の人材を活用した教室・講座の講師の手配、また事業の内容、対象者、時間帯の管理のほか、窓口受付員の体制整備等につきましても、クラブマネジャーが中心となって運営している状況でございます。現在の中部スポーツ・コミュニティプラザの運営に当たって、クラブマネジャーの果たしている役割は大きなものであると考えてございます。
○近藤 来年度、平成28年7月には南部スポーツ・コミュニティプラザが開設される予定となっています。南部スポーツ・コミュニティプラザはプールもあるので、管理運営は大変だと思いますけれど、どのような体制で運営するのでしょうか。
○永見健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) 平成28年7月に南部スポーツ・コミュニティプラザの開設を予定しておりまして、同施設にはプールも設置される予定でございます。南部スポーツ・コミュニティプラザにつきましても、健康づくり・スポーツを通じた地域住民の交流拠点としての事業を展開していきたいと考えてございます。円滑に運営していくために、中野区地域スポーツクラブ等と協議を重ねながら、よりよい運営体制を検討していきたいと考えてございます。
○近藤 そもそも地域スポーツクラブの目的は、中野区はスポーツ・コミュニティプラザという名前にしましたけれど、地域住民が自発的に集い、身近な場所を拠点としてスポーツに親しむことで地域のコミュニティを推進し、健康・生きがいづくり・活気ある長寿社会を目標とするものです。中部スポーツ・コミュニティプラザは、小学校跡地をスーパーリフォームしたところから始まって、地域の方がスポーツ施設をつくってほしいという要望があったわけでも、スポーツを行っている団体が自発的に組織をつくって運営しているわけでもありません。まずは施設をつくるところから始まってしまっているので、当初利用する人がいなかったのは当然のことだったと思います。今でも中部スポーツ・コミュニティプラザを盛り上げようと、町会の方など地元の方が動いている様子は感じられませんが、地域に密着した人材で運営されているといってよろしいのでしょうか。お答えください。
○永見健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) 中部スポーツ・コミュニティプラザですけれども、中野区地域スポーツクラブのネットワーク等の活用により、教室・講座型事業の講師、参加者、運営者いずれも区民が中心となっておりまして、地域の人材により運営されている施設であると認識してございます。
○近藤 南部スポーツ・コミュニティプラザも同じことは言えると思います。新しく建設している南部すこやか福祉センター等の今までかかった建築費等を面積比で割っていただきました。(仮称)南部スポーツ・コミュニティプラザにかかった金額は、工事費だけで10億円です。区民の血税10億円を投資してつくられる(仮称)南部スポーツ・コミュニティプラザを維持管理するだけでも大変な金額と手間だと思います。この施設を地域に密着した形で運営できる運営者はいるのでしょうか。
○永見健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) 南部スポーツ・コミュニティプラザの運営につきましては、中野区地域スポーツクラブ等と協議を重ねながら円滑に運営をしていくことができる体制を検討し、構築してまいりたいと考えてございます。
○近藤 建設に巨額の税金が投入されて、これからも少なくない管理費が私たちの税金から払われていくスポーツ施設が地域住民に有効的に使われることを祈るばかりですが、地域スポーツクラブの趣旨に沿った地域密着の人材で運営するというのは大変なことだと思いますけれど、どのように考えていらっしゃるのですか。
○永見健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) 区といたしまして、幅広い区民が健康づくり・スポーツを通じて交流する地域の拠点としていくためには、施設の運営や事業等に対しまして地域の人材がかかわっていくことが大切であると考えてございます。南部施設の運営や事業等が円滑に行われる体制について、区として十分に検討してまいりたいと考えてございます。
○近藤 南部もつくったからには有効的に区民に使っていただきたい。中部のように何年も利用率が低いまま区民の機運の高まりをのんびり待ってはいられないと思います。区民の機運が高まるまでは、区の職員が運営管理に積極的にかかわっていくべきだと思いますけれど、いかがですか。
○永見健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) 健康づくり・スポーツを通じた地域交流の拠点とすることを目指し、区として中野区スポーツ・コミュニティプラザとして開設したものでございます。施設の管理運営が円滑に行われていくよう、区といたしまして適切な形で関与をしていく考えでございます。
○近藤 小金井市、石神井市などの他の自治体は多額の税金を使って箱物をつくらず、地域住民の意思でスポーツクラブの組織を設立し、運営してきましたが、設立から10年がたち、後継者の問題に頭を悩ませていると伺っています。同じ10年、中野区ではまず箱物はつくったけれど、地域の機運はなかなか高まらず、優秀な人材のクラブマネジャーが起用されたことで何とか運営しているのが、中部スポーツ・コミュニティプラザの現状だと思います。
そして、二つ目の(仮称)南部スポーツ・コミュニティプラザも箱物をつくることからスタートしましたが、南部の施設は中部の施設と連携した仕組みなどを構築するなど、今までの中部施設の成果を生かして多くの区民に使える施設にしていただくしかないと思っていますけれど、いかがですか。
○永見健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) 他の自治体の地域スポーツクラブでは、既存の体育館の一定のスペースを借りるなど、クラブによってさまざまな形態で運営されているというふうに聞いてございます。南部スポーツ・コミュニティプラザの開設に当たりましては、中部施設とも事業面や運営面等における連携を視野に入れながら、幅広い区民の皆様に親しまれる施設としていきたいと考えてございます。
○近藤 最後に、既につくってしまったスポーツ施設は有効的に使っていただくしか仕方がないですけれど、10か年計画であと2つ、中野区の北部につくる予定となっていましたが、現在どのような予定になっているのでしょうか。
○永見健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) 区といたしまして、身近な生活圏域において区民が健康づくり・スポーツ活動に取り組むことができる環境が必要であると考えているところでございます。今後、区内の日常生活圏域である4圏域において、スポーツ・コミュニティプラザを整備していく方向で検討しているところでございます。
○近藤 北部には中野体育館、鷺宮体育館があり、上高田運動場、哲学堂公園など大きな運動施設があります。また、西武新宿線沿線には中野区からも多くの方が通う高田馬場の民間スポーツクラブは4,000人の会員を持つスポーツクラブです。新井薬師前、都立家政など、女性専用の体操教室があり、鷺宮にも会員1,600人のスポーツクラブがあります。多くの区民が利用しています。鷺宮のクラブにお話を聞いたら、うちは地域密着型のスポーツクラブですとおっしゃっていました。区は、まずは箱物をつくってしまうのではなくて、地域のスポーツクラブの必要性を区民に問うべきだと思います。どうしても区内に4カ所のスポーツクラブをつくるというのでしたら、北部においては、もうこれ以上施設建設、管理費に税金を投入することなく、他の自治体のように、今ある中野体育館や鷺宮体育館等を活用していく方法を考えていただきたいと思いますが、いかがですか。
○永見健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) 繰り返しの答弁になりますけれども、区といたしまして、身近な生活圏域において健康づくり・スポーツに取り組むことができる、そういった環境が必要であると考えてございます。具体的な整備の方針につきましては、検討の進捗にあわせてお示しをしていきたいと考えてございます。
○近藤 先日、3日間の間に入っていた、スポーツクラブの新聞の折り込みに入っていたものですが、本当にスポーツに今民間は力を入れているので、私の周りの方もスポーツジムに行っている方がとても多いです。そういうことも配慮していただいて、事業の目的、区民のニーズ、費用対効果を十分に勘案してスポーツの施策を進めていただきたいと思いますけれど、御見解をお願いいたします。
○永見健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) 超高齢社会を迎え、健康寿命の延伸による社会的コスト、そういった削減の必要性からも、身近な地域で健康づくり・スポーツに取り組むことができる、そういった環境が必要である、そのように考えているところでございます。
また、中野区は他区と比較いたしまして、スポーツ環境が充実しているとは言えず、区民の意識調査からもスポーツ施設の充実が求められているところでございます。そのようなニーズを踏まえまして、費用面も勘案しながら、より効果の高い事業、また施策を展開していきたいと考えてございます。
○近藤 ぜひ事業の目的、区民のニーズ、費用対効果をしっかり検証していただきたいと思います。ありがとうございます。
2、職員2,000人体制について
平成26年度、戸籍住民窓口業務、軽自動車税窓口業務、後期高齢者医療制度窓口業務、介護保険窓口業務が民間に委託されました。その一つ、後期高齢者医療制度窓口業務は民間委託されてどのように変わったのでしょうか。委託内容を教えてください。
○古本区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 平成26年7月より後期高齢者医療の窓口業務のうち、制度の案内、各種申請の受け付け、そして保険料の収納業務等を委託してございます。事業者と区とは役割分担を明確にしながら、効率的な業務の運営に努めております。
○近藤 私も後期高齢者の医療制度窓口に何度も足を運んでいるんですけれど、窓口に行くと何人もの女性の方がいらしてすぐに対応してくださいます。対応も早く、わかりよく説明してくださいました。本当に、きのうですか、この連休のところでお引っ越しをされて、2階の窓口がすごくきれいになって驚いたところです。主要施策の成果(別冊)各分野の行政評価結果の後期高齢者の医療のところを見ますと、前年度から100万円人件費が減り、施策の常勤職員が2人減っています。民間に委託したことでどのような効果があったのでしょうか。
○古本区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 昨年度より後期高齢者医療と介護保険の業務を同一の事業者に委託しておりますが、委員紹介がありましたように、今週から区役所2階にそれぞれの業務を一体的に受け付ける高齢者総合窓口を開設いたしました。今後は高齢者やその家族の利便性が向上していくものというふうに考えております。
○近藤 主要施策の成果(別冊)後期高齢者医療の概要には、平成26年から窓口業務を委託することにより、区の職員が収納対策を重点的に行うことができる体制を整えたと書かれています。今週から場所も2階に移り、とても明るくきれいになり、介護保険窓口業務と同じ場所になり、高齢者やその家族にとってかなり便利になったと思われます。このような定型的な内部事務業務はしっかりとした守秘義務を課した管理体制のもと行われれば、財政効果も大きく、サービスも向上し、少数精鋭の区の職員はより高度な仕事につけるわけです。このような定例的な内部事務の民間活力の活用を今後どのように進めていくのでしょうか。
○中谷政策室副参事(業務改善担当) 今後も民間が担うことのできる業務は民間へ委託することを基本として、個々の業務ごとに業務フローや業務量、また財政効果などを分析して民間活用を進めていきたいというふうに考えてございます。また、業務委託に当たりましては、個人情報の保護の徹底など適切な管理を行ってまいります。
○近藤 保育園などの庁舎外の民間委託は職員削減の初期の段階で始まりましたが、庁舎内の民営化はおくれて始まり、本庁にいる職員の数はそれほど削減されてきていませんでした。定型的な内部事務の民間委託がやっと進み、これで本当の少数精鋭の職員による小さな区役所が名実ともに進められていくということでよろしいのでしょうか。
○伊藤経営室副参事(人事担当) 区は、これまでも少数精鋭による職員体制の実現に努めてまいりました。今後さらに複雑・高度化するさまざまな行政課題に的確に対応するため、職員の能力向上、専門的な知識を有する経験者や任期付職員の計画的な採用、適材適所の職員配置などに取り組んでまいります。
○近藤 区は小さな区役所を目指して2,000人体制に向けて方策を策定し、職員削減に取り組んできました。平成26年度に2,000人体制は達成されましたが、私が危惧しているのは、正規職員を減らしてきた地域の現場です。例えば児童館、既に8館が廃止され、今後も11館が廃止されていく予定です。随時キッズ・プラザに移行していく予定ですが、キッズ・プラザは学校内の施設です。異世代の交流が日常的に行われていた児童館のように地域のさまざまな人間との交流は望めません。区は、それならU18プラザやすこやか福祉センターに集まればよいと言われるかもしれませんが、地域にU18プラザがない地域もあります。年齢にかかわらず、子どもも親も自由に参加でき、保育を手伝う自治体職員が相談に乗り、子育て全般を支援するスウェーデンのオープン保育園制度、現在、子育て支援で世界的に注目されていますが、この制度のようなものが自然にでき上がり、子育て支援を先取りして取り組んでいた中野区の児童館は廃止され、地域の子育て親子を支えてくれた職員は次々と子育ての現場から消えていきます。これまで地域の児童館が担っていた異世代の交流、子育てネットワークを今後区民はどうやって構築していけばよいとお考えなのでしょうか。
○田中北部すこやか福祉センター副参事(地域子ども施設調整担当) 児童館につきましては、全ての小学校内に整備するキッズ・プラザに移行いたしまして、安全・安心な活動場所としていく計画でございますが、新しく地域活動支援の場として子育て支援のための拠点を配置していく考えでございます。この拠点につきましては、乳幼児親子が集い、交流する場を用意するとともに、相談や助言などの援助を行う地域子育て支援拠点事業の実施、あるいは育成活動のネットワークづくりのかなめとしての機能を果たしていきたいと考えているところでございます。
○近藤 地域の児童館の存在は、子育て期間だけには限らない大きなものでした。乳幼児を抱えたお母さんたちが児童館を利用して職員や地域の異世代の方々に支えられ、子育てをして、やがてPTA活動や地区委員会の活動など地域の活動へと広がっていきました。子育ての過程で人に支えてもらった感謝の気持ちと、仲間と一緒に悩み、考え、活動した体験が次の地域の担い手を育成してきたのだと私は思います。中野区が子育て支援が充実した自治体として認知され、多くの若い子育て世代が入ってきて、新しいにぎわいのまちができる未来像を描きたいのですけれど、以前の中野区よりも地域で子どもたちとかかわる人も場所もなくなってきているように感じます。今後はすこやか福祉センターが子育て支援の役目も担っていくということですけれど、福祉にかかわる職員はますます重要な存在になっていくと思います。しかし、総務27の資料を見ますと、平成17年度に1,130人だった事務系職員は平成27年度に998人で、10年間で132人しか減っていないのに対して、福祉系職員は、平成17年に727人だった職員は平成27年度には477人となっています。福祉系職員はその絶対数が少ないにもかかわらず、250人も減っているのです。
先日の一般質問でも申し上げましたけれど、認知症コーディネーターや認知症地域支援推進員の増員も必要です。行政、事業者、地域を結ぶ福祉職の育成と増員が必要と思いますけれど、いかがでしょうか。
○伊藤経営室副参事(人事担当) 今後ますます複雑・高度化するさまざまな行政課題に対応するため、事務職、福祉職などを問わず、必要な専門知識やノウハウなどを確実に獲得するよう育成し、行政需要に応じた職員体制を構築してまいりたいと考えております。
○近藤 ぜひ福祉職の育成と増員、お願いしたいと思います。定型的な内部事務や窓口業務のアウトソーシング等を進める一方で、区民と接する福祉の現場等には福祉職など専門職を拡充することなど、区民の満足度の高い区役所となるようにお願いして、私の質問は終わります。ありがとうございます。