私の議会報告

平成28年第2回定例会 6月8日 一般質問

■平成28年第2回定例会 6月8日 一般質問

第二回定例会で近藤さえ子は以下の一般質問をしました。(6月8日)

 1、ごみ問題について


 ごみの問題について伺います。
まず、不適切なごみ出しについてです。
近隣のごみ集積所に3月下旬、洗濯機が置かれていました。ちょうど引っ越し、移動のシーズンです。引っ越しする人が捨てていった物と思われます。御近所の方が区に電話をして引き取りを依頼しましたが、清掃職員が引き取りに来るまでしばらく日にちがあります。その間、このごみ集積所には生ごみとびん、缶などが仕分けされていない状態で出されたごみ、カーペット等の粗大ごみなど不適切なごみの投棄が続き、洗濯機の不適切な投棄が引き金となり、皆が勝手に不要物をここに捨てていってしまったようです。このようなごみ集積所は、不適切なごみの投棄が始まると、一度にごみの山となってしまいます。

 区では近年、監視カメラの設置、優良集積所認定制度の実施、小規模集合住宅の集積所設置指導等をして不適切なごみの排出が行われないように取り組んでいます。しかし、一部の人にはそのような取り組みが伝わっていないのか、無視しているのかわかりませんが、不適切なごみの投棄はなくなりません。

 区では、従来行ってきた指導班による排出指導に加え、専従の小規模集合住宅対策班を設置し、小規模集合住宅への取り組みを強化したと伺います。今回の件でも何度か集積所に指導班が来てくださいました。すると、不適切なごみの投棄をする人は確実に減りました。現在、区が行う指導班による排出指導、特に小規模集合住宅対策は不適切なごみの投棄を抑える効果があると思います。清掃事務所の指導班の組織体制、内容はどのようになっているのでしょうか。
ことしの3月に発表された第3次中野区一般廃棄物処理基本計画では、従来行ってきた指導班等の排出指導に加えて、平成20年度から小規模集合住宅の取り組みを強化し、平成26年度は104件の改善指導を行ったとなっていますが、改善指導後の小規模集合住宅の排出の状況はどのようになっているのでしょうか。効果を教えてください。

 私はこれまでも毎年のようにごみの質問をしてきています。それは、赤ちゃんからお年寄りまで、区民一人ひとりの、誰もの日常の日々に関係のある大切な問題だからです。区民一人ひとりがルールを守り、気持ちよく暮らし、中野区を美しいまちにしていきたいと願っています。

 中野区に占めるアパート等集合住宅の割合は、80%と聞いています。不適切なごみの投棄が続く現状で、1年間に104件の改善指導では少ないと感じますが、いかがでしょうか。小規模共同住宅のごみの対策にぜひ力を入れていただきたいと思いますが、職員体制の強化が必要ではないでしょうか。

 さらに踏み込んで、家庭ごみの減量について質問いたします。

 家庭ごみの削減が大変重要であると考え、私は再三にわたって他の自治体の取り組みを紹介してきました。しかし区では、ごみの水切りの勧め、高額なコンポストのあっせん紹介のみで、具体的な区民への意識啓発を呼びかける取り組みが見えてきていませんでした。中野区は、プラスチック容器包装回収、ペットボトルの集積所回収、びん・缶回収、古紙回収など分別ごみの回収は進んでいるのに、家庭ごみの資源化だけは全く進まないように感じています。そのような状況で、ことしの3月に発表された第3次中野区一般廃棄物処理基本計画では「生ごみの資源化については調査、研究を重ねてきましたが、他の資源より分別の徹底が難しいこともあり、資源化には至りませんでした」となっています。どのような調査、研究を重ねてきたのでしょうか。

 先日、私は視察で金沢市に行きました。観光都市金沢は、ごみ減量化をするために市長を先頭に段ボールコンポストに取り組んでいました。市内の各婦人会で家庭ごみ削減に取り組み、自分たちのまちを自分たちできれいにするという意識を高めています。コンポストでできた堆肥は市内のJA(農協)で商品券と交換されます。市民がごみを削減し、自分でつくった堆肥が活用され、さらに商品券をもらえるのですから、誰もが自然にごみ削減に協力する仕組みがつくられていました。

 もちろん、金沢市と中野区では事情も勝手も違います。ごみからつくられた堆肥を引き取るJAもなく、同様の仕組みを構築することは難しいと思いますが、商店街と連携して完成した堆肥を区内商品券と交換するような工夫も考えればできないことはないと考えます。その回収した堆肥を使い、区民とともに区民と区内公園の花壇づくりに生かす等、さまざまな可能性を調査、研究していただき、「きれいなまち中野区」づくりの一歩を踏み出していっていただきたいと思います。

 また、私は以前にも江東区のごみ対策の例をお伝えしてきました。江東区は4種類の機材(森の仕組みの生ごみリサイクル・ベランダdeキェーロ、EMぼかし、段ボールコンポスト)を使って3年間家庭ごみの資源化のモデル事業に取り組み、一家庭で1カ月に平均7キログラムの削減に成功しました。1,000の家庭が取り組めば70トンのごみの削減になり、財政効果も410万円の削減という検証でした。そのデータをもとに、昨年2015年から4種類の機材を使った資源化を本事業としてスタートしました。区報等で生ごみの資源化にチャレンジする区民を募集し、4種類の機材の中から1種類を提供します。昨年度は169世帯の申し込みがあり、今年度は100世帯の新規募集があったそうです。担当職員に話を伺いましたが、堆肥の行き場の問題や募集人員が予想を下回るなど、課題はいろいろあるそうです。しかし、何より区としてのごみの減量化に取り組む真摯な姿勢に協力しようと考える区民が確実にふえたそうです。

 また、江東区の区民向けのごみ減量パンフレットには、まず、ごみ全体の9割が燃やすごみが占めていること、埋め立て処分場延命化の問題などが記載され、生ごみを減らす五つのポイントという5段階ステップが記載されています。ステップ1、必要な分だけ買おう。ステップ2、食べる分だけつくろう。ステップ3、食べ残しをしないようにしよう。ステップ4、ぎゅっと絞ろう、ごみの水切りがここです。ステップ5、堆肥化しよう。そして、堆肥化まで進めた人を上級者として、あなたもできるところから始めてくださいと区民へのごみに対する意識付けに取り組んでいます。ほかにもごみ減量のアイデア「私のごみダイエット」を区民から募集する。ごみダイエット家計簿の配布等、ごみ減量が江東区政の重要な課題であることが伺えます。

 このように、工夫を凝らして生ごみの減量化と資源化に取り組んでいる自治体もある中、中野区ではごみ減量の取り組みや区民の意識喚起の努力も見えないまま家庭ごみを有料化して、区民に費用負担を求めようとしています。初めから区民に費用負担を求めるのではなく、さまざまな取り組みを通じたごみ減量への意識の啓発を進め、区民と一体となって課題の解決に取り組むことが必要であると思います。いかがでしょうか。

 現在、区では中野に観光客を呼び込もうと観光のPRに予算を使い、区の魅力を多くの人に知ってもらうためにさまざまな取り組みを行っています。また「中野区に住みたい」と多くの人に選ばれる区になるように努力をしています。観光に力を入れている金沢市、区民のごみ削減意識を喚起し、住みよいまちを目指す江東区、中野区も区民が日常生活を気持ちよく過ごせる環境をつくることで初めて「住みたいまち中野」につながると思い、このごみの問題を重要な課題として区を挙げて取り組んでいただきたいと思います。御清聴ありがとうございます。

○区長 近藤議員の御質問にお答えをいたします。指導班の組織体制、内容についてです。

 清掃事務所では、廃棄物の不適正排出の抑制に向けた排出指導について、指導班、小規模集合住宅班の2班体制で臨んでいるところであります。指導班は技能長をリーダーとした11名体制で、排出状況の改善が必要なごみ集積所の調査、見回りやごみ集積所監視カメラの運用監視、事業系一般廃棄物の適正排出に関する指導等を行っております。小規模集合住宅対策班は技能長をリーダーとした4名体制で、小規模で専用のごみ置き場が設置されていないなど、排出環境の整備が必要な集合住宅の実態調査及びオーナーや管理会社、さらに居住者への排出指導を行っているところであります。

 改善指導の効果について。改善指導の結果、排出状況が良好となった104件は、継続的に監視しているところであり、おおむね適正な状況が継続しているものと認識をしております。
改善指導の件数について。区ではこれまで、小規模集合住宅の排出指導に必要な集合住宅のオーナーや管理会社情報、排出状況の現状確認など、基本的な情報の収集を行うなど、効率的、効果的な指導業務を行ってきたところであります。平成27年度は平成26年度の取り組みを踏まえ、改善指導を強化し、332件実施したところであります。今後も計画的な排出指導を重ね、全体の改善につなげてまいります。

 職員体制の強化についてという御質問について。これまでの排出指導は、一定の成果があったものと認識しており、当面は人員増強の必要性はないと認識しております。

 ごみ資源化の調査、研究について。生ごみを発酵させ、発生するメタンガスを利用し、電気などのエネルギーに転換するいわゆるバイオマスによる資源化や、生ごみ減量化に向けた普及啓発のあり方について調査、検討を進めてきたところであります。バイオマスを活用した資源化については、委託事業者、費用対効果の面で課題が多く、現時点では困難でありますが、将来的には有効な方策と考えており、引き続き先進事例の調査研究を続けていきたいと考えております。

 生ごみ減量化の普及啓発については、子ども、若者、成人、それぞれの世代や外国人にターゲットを絞るなど、効果的に周知を図っていくこととしたところであり、環境教育の充実、ごみ分別アプリの導入、易しい日本語や写真、図表によるわかりやすいチラシの活用等について、今後逐次導入していくこととしているところです。

 生ごみの減量などに向けた取り組み、金沢市や江東区の例などを引いての御質問でした。家庭において食べ物の残渣を出さない、残り物の上手な使い回しなどを情報提供するエコクッキングレシピの開発など、生ごみの発生を抑制するための取り組みを強化していくこととしております。  

 また、環境学習や出前講座の充実、ごみの分別の徹底や生ごみの水切り励行への協力についても積極的に働きかけてまいります。御紹介のあった江東区は23区内の取り組みですので、有効な実績を上げていくものかどうか、十分に注目をしていきたいと考えております。

社会活動


中野区お役立ち情報

なかの区報

教育だよりなかの

Copyright © 2014 Kondo Saeko All Rights Reserved.