平成29年第4回定例会 11月30日 一般質問
■平成29年第4回定例会 11月30日 一般質問
平成29年第4回定例会で近藤さえ子は以下の一般質問をしました。(11月30日)
1、子ども施策の充実について。
(1)学童クラブの待機児童対策について
(2)子どもたちの放課後の居場所について
1、子ども施策の充実について。
1、学童クラブの待機児童対策について伺います。
現在、区は、保育施設の緊急待機児童対策として、公共施設7カ所に区立の認可外保育園をつくるとして補正予算を組み、対応をしております。
この区の突然決まった保育施設の待機児童対策に憤りを感じる区民からさまざまな声が上がっています。公園の近隣住民からは、影響を受ける近隣住民が蚊帳の外で計画が進んでいるのは納得がいかないという怒りの声。乳幼児の保護者等からは、2年間限定の施設で、その後の対応はどうなるのかと不安を感じるという心配の声。公園利用者からは、待機児童対策は必要だろうが、公園が使えなくなるのは困る、貴重な樹木の伐採も残念であるとの意見。また、一般区民からは、2年しか使われない施設に1施設2億から3億円という莫大な費用をかけるのかと区の財政を懸念する声。そして、区は、この計画性のない対応を指摘されると、こんなに急激に保育需要が伸びるとは想定しなかったと弁解します。
学童クラブの待機児童対策についても、学童クラブの需要に対して、広いスペースを持つ児童館をなくし、学校内に学童クラブを入れていこうとしているのですから、区民は、学童クラブでも待機児童になってしまうのではないかと不安を感じています。しかし、区は、保育園と学童クラブは全く違うとして、なかなか緊張感を持った対応はしていません。
これまでの区の学童クラブ対応は、定員をふやせるところまでふやし、入り切れなくなると民間学童クラブを慌てて誘致する、さらに待機児童が出たら、とりあえず学校の中のキッズ・プラザを利用してもらう、この方法で対応してきました。しかし、今後、保育園に通っていた子どもたちが小学生になり、学童保育を利用することになります。そのときは、また、こんなに学童クラブの人口がふえるとは想定していなかったと弁解するのでしょうか。早目の対応が求められます。
12月1日、明日から来年度の学童クラブの申し込みが始まります。学童クラブの待機児童が多く出ている学童クラブは、統合をした新校と、キッズ・プラザを持つ学校の学童クラブです。区は、この状態をどのように理解し、どのように解決していくおつもりなのでしょうか。
〇来年度4月に待機児童が出ないように、民間学童クラブの確保はできているのでしょうか。
区は、区立の学童クラブに待機児が出た場合、民間学童クラブを誘致していますが、民間学童クラブは複数のところであきがある状態です。民間学童クラブには庭もなく、狭い場所で子どもたちが過ごさざるを得ない状況を保護者は危惧しています。つまり、近くに民間の学童クラブはあるが、区立の学童クラブに待機をしている児童が多くいるということです。区は、この状態をどのように考えているのでしょうか。
〇 区は、学童クラブに待機児が出ても、キッズ・プラザを利用していただくので大丈夫ですと言いますが、例えばキッズ・プラザ緑野は中野で最も狭く、キッズ・プラザでも待機児が出ていると伺っています。どのような状態なのでしょうか。
現在、大和西児童館と若宮児童館を利用している学童クラブ児童は、11月1日現在で127人ですが、美鳩小学校新築工事により、美鳩小学校内の学童クラブと民間学童クラブに分かれることに今後なっていきます。美鳩小の学童クラブの定員が60人として、半分は民間学童クラブに割り当てられることになります。美鳩小学校は、今年度、1年生は115人、4クラス、せせらぎ公園そばの都営住宅の建てかえ後は、住宅がふえ、子どもの数もふえて、学童クラブの需要はますますふえると想定されます。今後、大和西、若宮両児童館がなくなれば、キッズ・プラザも満杯状態となり、複数の民間学童クラブが必要になる可能性があります。学童クラブ入所希望者がふえるたびに、職員がスーパーマーケットの空きスペースや商店街の空き店舗、雑居ビル等を必死に探し回るおつもりなのでしょうか。
そこで提案いたします。
私は、児童館の廃止は反対です。
〇しかし、何があっても区が児童館を廃止する方針であるのなら、現在の若宮児童館を子育てひろばと学童クラブ、また、一般の小学生も利用できる地域の子どもたちの拠点として、既存施設を有効活用してはいかがでしょうか。
日暮れの早い冬の時期、新設の美鳩小学校のキッズ・プラザでタ方まで遊ぶ子どもたちが遠い距離を帰宅するのは心配です。若宮地区に子育ての拠点があれば、保護者も安心です。さらに、園庭のない保育園の遊び場も確保できます。学童クラブの待機児童対策も一気に解決できます。そして、この子どもたちの拠点に最低でも1名の区の職員を置くことで、地域とのつながりが図られ、区が目指すアウトリーチチームの一員としての効果も発揮できるでしょう。子どもたちが地域を追われ、友達と別れ別れになることを防ぎ、職員たちが民間学童クラブを誘致するための場所を探し回らなくて済むように、若宮児童館跡施設を地域の子どもたちの拠点とすることを強く要望します。区の見解を伺います。
2番目に、子どもたちの放課後の居場所について。
先日、むとう議員、細野議員と私とで、新宿区の小学校の中の保育ルームと港区の複合施設の中にある本村保育園、高齢者施設ありすいきいきプラザ、麻布子ども中高生プラザを視察しました。
麻布子ども中高生プラザには、子育てひろば、遊戯室、学童クラブ室、音楽室、陶芸窯を備えた創作活動室、多様な運動ができるアリーナ、屋上にはローラーブレードの練習場もあり、小学生の男の子がローラーブレードの指導を受けていました。この複合施設は、乳幼児からお年寄りまで、ゼロ歳から100歳までの全ての世代の居場所であり、幅広い年齢層の区民が、利用者として、また、家族として、あるいはボランティアとして、大勢がかかわり、触れ合いながら過ごしています。小学生や中学生は、スポーツや創作活動をし、私立学校に通う児童や生徒も地域と交流し、広い空間で思い思いの遊びを楽しんでいました。この施設は有栖川宮記念公園の前にあり、緑あふれる環境にも感動しました。
このような中高生プラザは、麻布だけではなく、港区内5カ所にあるそうです。それ以外にも、児童館、学校内のキッズ・プラザに似た放課後の居場所もあります。港区は財政的に豊かだから何でもつくれるだろう、中野区とは違うという声も確かにあります。しかし、安心できる保育の拠点、子どもの成長に必要な自由な遊び場、さらに、高齢者の憩いの場所、地域、区民が本当に必要とする施設を用意することの大切さを行政が理解していることが大切だと考えます。港区のように財政豊かでない他の区でも、子どもたちには学校外の拠点をきちんと確保しています。児童館もU18プラザも廃止し、児童たちが長い夏休みの期間も含めて1年を通じて小学校の中だけで過ごすしかない計画を進めているのは、23区でも中野区だけではないでしょうか。
区は、中野駅前の大アリーナ建設、哲学堂公園を観光拠点とする等、区外の人々を呼び込む華やかな計画を進める一方、児童館もU18プラザも廃止し、その土地は売却され、小学生は学校の中に押し込められてしまう。これまでの児童館機能をなくし、成長する子どもたちが伸び伸びと自由に遊べる居場所をなくし、これから地域を担っていく子どもたちから地域交流を奪ってしまう。
〇このようなあまりにも情けない子ども施策を見直し、再検討をすることを強く求めます。御見解を伺います。
学童期の子どもたちの成長に大事な時期に、多くの大人がかかわり、見守り、地域で子どもたちを育てていく環境を用意できる、これまでのような中野区であってほしいと思います。
その他はございません。御清聴ありがとうございました。
○区長(田中大輔) 近藤議員の御質問にお答えいたします。
私のほうからは、子ども施策の充実について、3点御質問があった点でお答えをいたします。
学童クラブの統合新校対策についてであります。統合新校の整備に当たっては、キッズ・プラザに併設して学童クラブを設置するとともに、統合により廃止となる旧学校区に民設学童クラブを誘致し、ニーズに対応する定員を確保することとしております。
区立学童クラブの待機児童についてであります。民設学童クラブは、設置初年度には利用児童が少ないですけれども、運営実績に従って増加する傾向があります。設置初年度から多くの児童の利用が得られるよう、区としても広報、周知を強化してまいりたいと考えております。
私からは以上です。
〔○地域支えあい推進室長(野村建樹) 一つ目がキッズ・プラザ緑野の放課後対策についてという御質問でございました。学校行事との関係あるいは雨天など天候の事情によりましては、一時的に専用活動スペースが混雑する場合があるということについては承知をしてございます。その場合におきましては、教室等を活用して対応して
いるというところでございます。
続きまして、美鳩小学校区、若宮児童館の活用についてという御質問でございました。美鳩小学校区の学童クラブニーズが高いことは認識しております。新校にキッズ・プラザと学童クラブを整備するほか、現若宮児童館など区有施設を活用し、民設学童クラブを誘致していく計画となってございます。また、美鳩小学校、それから、民設学童クラブ、それぞれに子育てひろばを展開することを予定してございますが、区の職員を配置することは想定してございません。
最後に、子どもたちの放課後の居場所についてということでの御質問でございました。キッズ・プラザは、放課後等、ランドセルを背負ったまま利用ができるということで、交通事故等の心配が少なくなってございます。また、IC端末を利用しました入退室の情報のメール配信システムの導入によりまして、保護者にはさらに安全、安心を実感していただいているところでございます。今年度は高学年プログラムを工夫し、高学年の利用もふえるなど、さまざまな活動が展開されてございます。こうしたことから、キッズ・プラザの見直しを行う考えはございません。
○近藤さえ子 再質問をさせていただきます。
2番目の来年度の4月に待機児童が出ないように民間学童クラブの確保はもうできているのですかというところのお答えがなかったようなので、そこを教えていただきたいと思います。
それともう1点、若宮児童館を使って子どもたちの小学生まで入れる施設に検討をお願いしたいという、区の職員を置くつもりはないということはわかりまして、とても残念で、アウトリーチチームの効果としてどうなのかなと思いますけれども、そこの答えはわかりましたけれど、若宮児童館の使い方として、子どもたちの拠点という点のお答えをお願いいたします。
○地域支えあい推進室長(野村建樹) 来年4月に向けまして民設学童クラブの誘致ということでございますが、現在、U18プラザ上高田跡につきまして、民設の学童クラブ、これを誘致するということで計画をしてございます。その他につきましても、鋭意努力をしているというところでございます。
それから、若宮児童館を子どもたちの拠点にという御質問でございましたが、先ほど申し上げましたとおり、学童クラブあるいは子育てひろば、こういったものを整備してまいりたいというふうに考えてございます。