平成30年第2回定例会 7月3日 一般質問
■平成30年第2回定例会 7月3日 一般質問
平成30年第2回定例会で近藤さえ子は以下の一般質問をしました。(7月3日)
1 施政方針説明について
(1)犯罪被害者支援について
(2)児童館の全廃についての見直しについて
(3)男女共同参画の推進について
2 その他
無所属の近藤さえ子です。区長の御就任に当たり、お祝いを申し上げます。
おめでとうございます。
今回の区長選挙を通じて、行政に声が届かないことを不満に思う区民が多いことを私はひしひしと感じました。中野区に住み、地域を愛し、もっと住みやすいまちにするために声を発し続けても届かなかった区民、また自分の声など反映されるはずがないと諦めていた区民が、もし酒井氏が区長になったら区民の声を聞いてくれるかもしれないと期待したことが新区長の誕生につながったのだと思います。
私も長年訴え続けて、これまで区政に届かなかった2点と検討が急がれる1点について質問させていただきます。
1、犯罪被害者支援について
6月3日、全国犯罪被害者の会「あすの会」が解散しました。あすの会は、2001年、日本弁護士連合会の副会長も務めた岡村勲弁護士を中心に集まった被害者の団体です。1997年、山一證券の代理弁護士であった岡村氏は、逆恨みした山一證券の顧客に奥様を殺されました。なぜ加害者は法で守られ、被害者は放置されるのか。被害者には何の権利もないのかを身をもって知った被害者たちが立ち上がり、海外調査、署名活動、当時の小泉純一郎首相への直談判等、活動を続けました。その17年にわたる活動は、犯罪被害者等基本法の成立、被害者参加制度、経済的保障制度の拡充、殺人などの重大犯罪の時効の廃止等、多くの法律を成立させ、刑事・司法に大きな影響を与えてきました。私も一被害者遺族としてこの会に参加し、微力ながらともに歩んでまいりました。
解散大会当日は、全国から会員の被害者、支援者、多くのマスコミ、国会議員等が集まり、上川陽子法務大臣は、会の功績をたたえ、今後、国が被害者支援にしっかりと取り組んでいくことを約束してくださいました。4時間以上の長時間、会に参加してくださった法務大臣は、会終了後、「よく頑張ってこられましたね」と握手をしてくださり、私は涙をこらえ切れませんでした。
あすの会の解散理由は、被害者が権利の主体として法的に認められるようになったこととメンバーの高齢化ですが、岡村顧問は挨拶の中で、残る課題は、もう被害者に頼らず国と国民で考えていただきたいと語られました。残念ながら凶悪な犯罪がなくなったわけではありません。あす誰が被害者になるかもしれない、被害者問題は全ての国民の問題です。
中野区は早い段階で犯罪被害者のための相談窓口を設置し、その活動は全国の自治体や警察、司法関係に注視され、中野区を参考にして活動していきたいと区の取り組みを高く評価していただいています。しかし、残念なことに、さらなる被害者施策を進めることには消極的でした。今回の施政方針説明で、初めて被害者支援が示されたことに大きな期待を抱いております。被害者支援の拡充について、どのようなことをお考えなのでしょうか。条例制定の意義についてはこれまで何度も申し上げてきましたので省きますが、確実な被害者支援の取り組みの構築のためにも、中野区が安全で安心して暮らせるまちを目指すためにも、犯罪被害者等基本条例の制定を求めますが、いかがでしょうか。
2、児童館の全廃についての見直しについて
区長は施政方針説明で、児童館は子育てにかかわる多世代が地域で交流する機能として必要と考えると、児童館全廃の見直しをお示しになりました。私は、15年間にわたり小学生が自由に使える学校以外の居場所をなくすべきではない、児童館は子どもたちの育成にとってかけがえのない場所である、地域と子どもたちをつなぐ居場所が必要であると、繰り返し、繰り返し質問してきましたので、大変うれしく思います。国の放課後子ども総合プランでは、放課後子ども教室の計画的な整備を進め、学校施設を徹底的に活用する方針が示され、各自治体は小学校内に子どもの居場所を設置してきました。中野区でいうキッズ・プラザです。しかし、他区では、放課後子ども教室を設置しても、幾つかの児童館と異世代が交流できる子どもたちの居場所を残す方針であるのに対して、中野区だけは児童館を全廃し、小学生の居場所は学校だけと決めてきました。今ここで一度立ちどまり、児童館全廃を見直し、子どもたちの施設について再考できることは大変喜ばしく、児童館全廃に反対の声を上げてきた子育て中の保護者、地域で子育てを支える方々、そして何よりも児童館を利用している子どもたちにとって大きな朗報です。しかし、共稼ぎの世帯の増加、親の就労の形態が変化している今、どのような形で児童館を存続するのかは多くの検討課題があります。何館、どこを残すのか、どんな形で残すのか、時代に合った子どもたちの居場所とはどんな形になるのか、財政的な問題はどうするのか、地域で不公平感を出さない取り組みはできるのかなど、直面する課題は多岐にわたります。どのように検討していくのでしょうか。
私は、昨年の第4回定例会で、港区の麻布子ども中高生プラザを紹介しました。保育園、児童・中高生施設、高齢者施設が併設された複合施設です。麻布子ども中高生プラザの館長は、かつて渋谷にあった東京都の児童館、こどもの城で働いていた方で、「昔は、中野の児童館がすばらしいので、いろいろ勉強させていただきましたよ」と話されていました。中野区を子育て先進区へと語られる区長には、ぜひ他区の施設を視察、調査していただきたいと思います。そして長年中野区の子どもたちを見てきて、今も子どもたちと向き合っている児童館館長たちを含めたメンバーによる検討委員会を立ち上げ、児童館全廃の見直しについて検討を進めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
3、男女共同参画の推進について
施政方針説明では、男女共同参画の推進にも触れています。中野区は昭和59年、女性会館を現産業振興センターの場所に開設しました。これは23区でも先進的な取り組みでした。そして平成18年、男女共同参画社会実現のための総合的な拠点施設として、男女共同参画センターと名称を変更しました。この男女共同参画センターは、平成25年、本庁1階に移り、平成27年には3階、平成28年には4階と移動になりました。現在はセンターの呼び名にはほど遠いものです。区長御自身も男女共同参画センターがどこにあるか御存じなかったのではないでしょうか。よほど興味を持つ区民以外は誰も知られないような状況であり、23区で唯一の活動拠点を持たないセンターです。また、新しい区役所の計画の中にも、活動拠点としてのセンター機能をつくる予定はありません。まずは4階の現状を見ていただき、新しい区役所には、男女共同参画施策に関する区民の活動が広がる拠点施設としての機能を持つセンターを配置すべきと考えますが、お考えをお聞かせください。
その他はございません。
これで質問は終わります。御清聴ありがとうございます。
答弁 区長(酒井直人)
近藤さえ子議員の御質問にお答えします。
犯罪被害者支援についての御質問をいただきました。区はこれまで犯罪被害者等基本法に基づき非常勤相談員を配置した専門の相談窓口を設置し、相談、助言、各種手続の援助を行うほか、家事援助等を行う生活支援員を派遣する緊急生活サポート事業を実施してまいりました。また、犯罪被害者への理解を深めるため、毎年区民と職員向けにそれぞれ講演会等を開催しているほか、区役所ロビー等でのパネル展示などの普及啓発を進めてきたところでございます。犯罪被害者の生活を支えるため、ほかにどのような支援が必要か他自治体の状況を調査するとともに、犯罪被害者に関する条例の制定について検討してまいります。
○地域支えあい推進室長(野村建樹)
私からは、児童館のあり方の見直しに係る検討方法についての御質問にお答えをいたします。
今後、利用者や現場の声を踏まえ、児童や子育てなどに係る現状や課題に応じた機能や役割について整理するとともに、あるべき姿を定めた上で、必要な施設や配置を考えていきたいというふうに考えてございます。
○政策室長(朝井めぐみ)
私からは、男女共同参画の推進についての御質問にお答えいたします。
男女共同参画施策は、拠点施設の有無にかかわらず推進していくことが必要だと考えており、平成25年4月の男女共同参画センターの庁内への移転からこれまでも機能充実を図ってきたところでございます。新区役所において、情報発信拠点としての機能を整備し、区内団体の支援や男女共同参画の取り組みを推進していく考えでございます。
○近藤
犯罪被害者の基本条例についての検討をしていただけるということで大変うれしく思います。ぜひお願いしたいと思います。
そして、児童館の館長をメンバーに加えた検討委員会を立ち上げてはいかがでしょうかということにお答えがなかったので、その点をお願いいたします。
あと、男女共同参画は、拠点としてはつくらないという形なのでしょうか。ぜひつくっていただきたいと思いますけれど、その辺はいかがでしょうか。
○地域支えあい推進室長(野村建樹)
再質問にお答えをいたします。
利用されている区民の方々の声、それから館長を含め職員の声も踏まえながら検討してまいります。
○政策室長(朝井めぐみ)
男女共同参画センターの再質問にお答えいたします。
新区役所においてでございますけれども、スペースの限りもあることから、まずは情報発信拠点としての機能を整備したいというものでございます。