令和2年 第3回定例会 9月23日 総括質疑
1、区有施設・学校施設について
2、地域スポーツクラブ運営について
3、集団回収について
〇近藤 学校施設と区有施設の複合化についてお聞きします。区は、中野区公共施設総合管理計画(建物編)に基づき、新しく整備する施設は複合化・集約化を進めています。複合化・集約化自体はよいのですが、区民にとって優先順位が高い事業が展開される施設となっているかという点で疑問が残る学校施設と区有施設について質問させていただきます。
3年前の2017年第4回定例会で、私は美鳩小学校における学童クラブの需要が年々高まっていることを取り上げて、学童クラブの総合振興対策をしっかりと考えていかないと、学校外に何か所もの民間学童クラブに子どもたちが分散されていかなくてはならなくなってしまうことを質問しました。そのときの区のお答えは、統合新校にキッズプラザを併設して学童クラブを設置し、統合により廃止する旧学区内に民設学童クラブを誘致し、ニーズに対する定員を確保するとおっしゃって、何も問題がないように答えていました。そして、子育てひろばも展開するとしていましたが、統合新校には子育てひろばはありません。子育てひろばはどうなったのでしょうか。
○細野育成活動推進課長 昨年8月の子ども文教委員会に報告申し上げましたが、近年学童クラブの利用者数が増加しており、キッズプラザ併設の学童クラブ定員を60名から100名に増やすために、従来乳幼児室の予定がありましたが、そちらの乳幼児室を学童クラブとして活用することとしたものでございます。
○近藤 では、美鳩小学校地区の子育てひろばどこにあるんでしょうか。
○細野育成活動推進課長 児童館において乳幼児事業をやっておりますので、児童館の事業を御利用いただければと考えております。
○近藤 そもそも3年前は前区長の下、児童館全廃の方針で進められていたので、キッズプラザ、学童クラブ、子育てひろばを学校の中に入れていくとおっしゃっていて、児童館で行ってきた機能のほとんどを学校の中に入れようとしていました。区長が酒井区長に替わって新しい児童館が存続することになったことは大変喜ばしいと思いますが、新しい児童館には学童クラブは入れない方針です。やはり前区長と同じキッズプラザと学童クラブを学区内に設置し、学区内の学童クラブに待機児童が出たときは、学区内に民間学童クラブを誘致するとしています。せっかく児童館施設を残すのですから、学校内の学童クラブに収まらなかった児童を分散させ、商店街の飲食店の上の学童クラブに通わせるなどとするよりも、新しい児童館に学童クラブを設けたほうが区民ニーズも高く、財政的にも抑えられるのではないでしょうか。
○細野育成活動推進課長 国で新・放課後子ども総合プランというものをつくっております。その中で放課後児童クラブと放課後子供教室の小学校の中での一体的な実施というものを推進しているところでございます。中野区でも全小学校内にキッズプラザとそれに併設する学童クラブの整備を進めているところでございます。学童クラブはキッズプラザと一体的に運営することを基本といたしまして、待機児童が発生する場合は民間学童クラブを誘致して対応していく考えでございます。
なお、民間学童クラブの誘致が困難な場合もございます。そういった場合においては、児童館施設など区有施設も暫定的に活用させていただいて、放課後の保護に欠ける小学生の生活の場を確保していきたいと考えております。
○近藤 さんざん私が言ってきたんですけれども、ちょっと進歩して、児童館も使うということを今回初めておっしゃられました。統合新校は100人規模の学童クラブを整備しても待機児童が出てしまい、美鳩小学校の近隣の民間学童クラブを探すことも困難です。それはもう初めから言っていました。このまま既存の大和西児童館で学童クラブの場所として使い、新たな児童館ができたときはそこに学童クラブを入れるのが財政的にも効率的にも一番よいと思います。まだ、そばに児童館があるにもかかわらず、職員の労力を使い、別の場所に民間の施設をまだ探し続けるおつもりなんでしょうか。どのように考えているのでしょうか。
○細野育成活動推進課長 児童館の配置や在り方については、まだまだ議論の最中ですので、今後計画を定めていきたいと考えております。学童クラブの誘致ですが、民間が参入できる場所とそうでないところもございます。様々な地域の事情もあるので、場所がなければ学童クラブはやっていけませんので、その地域、地域においての事情を考えて一番効率的な方法を考えていきたいと考えております。
○近藤 それをずっと言ってきたんですけれど、やっと統合新校ができて、100人規模を造ってやっと気づかれたというのは本当に遅いのかなと思います。やっぱり造る前に気づいていただかないと、本当に計画とは違ったことになっていくんだと思います。
そして、学校に入ることになった地域開放型学校図書館についてもお伺いします。子ども文教委員会でも議論があったと思いますが、統合新校において3校に地域開放型学校図書館が設置される予定です。新校スタートの時期と遅れてスタートとなるそうですが、地域開放型学校図書館を学校の中に設置するということは、安全性、新型コロナウイルスの流行拡大の点からも心配との声があります。先日来住議員からも一般質問で質問されていましたが、今後の図書館サービスのあり方検討会でも、学校関係者に伺っても地域開放型学校図書館を歓迎する声は聞こえてきません。誰が学校の中に地域開放型図書館が必要であると希望して造ることになったんでしょうか。
○永田子ども・教育政策課長 地域開放型学校図書館の設置につきましては、新しい中野をつくる10か年(第3次)や中野区教育ビジョン(第3次)などに基づきまして、家庭・地域・学校の連携による子どもたちの自主的な読書活動の推進や乳幼児親子の読書活動の支援などを目的として整備をするものでございます。
○近藤 すみません、1問飛ばしますので、ごめんなさい。複合施設をそうやって造っていくということは何も反対はしていないのですけれど、学校の限られたスペースをそこに通う児童のニーズを最優先に考えると、地域開放型図書館は優先順位が低いように思います。新たな事業を始めるに当たっては、区民のニーズをしっかり聞いていく必要があると思いますけれど、いかがですか。
○永田子ども・教育政策課長 来年4月に開設を予定してございます三つの地域開放型学校図書館の運営におきましては、利用者数や図書の貸し出し数を集計するとともに、利用者アンケートによりまして区民の要望を把握するなど検証を行ってまいります。
○近藤 ありがとうございます。次に、区民のニーズをしっかりと聞いて計画を進めたにもかかわらず、計画が前に進まない鍋横区民活動センターの整備についても伺います。伊藤議員からも質問がありましたけれど、鍋横区民活動センター等の整備については、区民が建設検討委員会を立ち上げ、他施設を見学、外部専門委員からのアドバイスを受ける、区民活動センター利用者へのアンケート、地区まつりでのアンケート、町会でのアンケートを取り、10回以上も建設検討委員会を開くなどして丁寧に地域の合意、区民の要望を区に伝えてきました。しかし、区が示した計画案は、この土地の最大の魅力である商業地であること、駅が近いなどの利便性の高さなどには考慮されていない複合施設になっていました。商店街の好立地の場所、交通量のある場所に、なぜわざわざ看護小規模多機能型居宅介護や都市型軽費老人ホームを整備する必要があるのか。何よりもこのような施設を入れ込んだ複合施設のためにエレベーターや階段等が広く配置されたため想像以上に場所を取り、肝心の区民活動センターの区民の活動場所が狭くなり、区民活動には欠かせない団体が使う倉庫やロッカーの設置もできないと伺っています。区民が丁寧に地域の方の声を聞き、議論を重ね、区民ニーズを区にお伝えしたにもかかわらず、肝心の区民の地域活動に支障が出そうな状態や土地や利便性が十分に生かされない計画になるなど計画案に対して地域の合意が得られていないと聞いています。執行時期を見直すということですが、理由を教えてください。
○小山地域活動推進課長 執行時期を見直すことにつきましては、新型コロナウイルスの感染拡大とそれに伴う経済活動の停滞が区財政に与える影響について検討した結果、判断をしたものでございます。
○近藤 今回の鍋横区民活動センター等の整備については、地域の方も区に丁寧に議論を重ねてきました。それでも中野区のような狭小な土地に、できるだけいろいろな機能を盛り込みたいと考える区と地域の特性を生かした地域の拠点として地域の交流の場、地域の活性化に寄与する施設としたいと考える地域区民との間で合意を取りながら複合施設を整備することはとても難しいことだと感じました。しかし、このことを踏まえて、今後他の施設に関しても、複合施設の整備を進めるには、地域の要望をよく聞き、耳を傾け、地域に必要な施設を最優先して、地域住民の合意形成に努めるべきと思いますけれど、鍋横区民活動センターの見直しはなされるんでしょうか、教えてください。
○小山地域活動推進課長 現在は執行時期や併設する施設の見直しも含め検討を進めているところでございます。
○近藤 ぜひこの鍋横区民活動センターで区民の活発な活動と地域の活性化に応援できるような区民活動センターの計画案の再考をお願いしたいと思います。
そして今、ちょっと繰り返しになってしまうんですけれど、今後の施設に関しても複合施設の整備を進めるというのは、本当に地域に必要な施設というのをまず最優先に考えていただきたい。地域住民の合意形成に努めていただきたいと思いますけど、それは施設全般としていかがでしょうか。
○石井企画課長(企画部参事事務取扱) 今後の区立施設の整備に当たりましても、複合化や集約化も視野に入れてございます。その設置目的を地域、関係者の皆様のまずお話を伺い、十分に説明をし、理解を得ながら、その立地条件にふさわしい施設機能の導入を進めていきたいと考えております。
○近藤 ぜひ応援してくれる区民、区に寄り添っている区民の一生懸命やっていることを無駄にしないで、地域の活性化に資する施設としていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
次に、令和元年度事業の行政評価(内部評価)、96ページ、地域スポーツクラブ運営、スポーツ・コミュニティプラザ指定管理(中部)について伺います。私は、2019年決算特別委員会総括質疑と今年の予算特別委員会総括質疑において、中部スポーツ・コミュニティプラザが区民にとって使いやすいとは言えない施設である現状や教室事業メニューが体操に偏っていて参加者があまりにも少ないことを指摘しました。改善を求めましたが、改善はされましたか。改善された点を教えてください。
○古本スポーツ振興課長 お答えします。利用者数の少ない教室事業を廃止いたしますとともに、新たな教室を追加するなど利用者数増加のための見直しを行ってございます。
○近藤 2020年度版中野区保健福祉事業概要を見ますと、昨年私が指摘させていただいた記載方法についても改善されていました。そして今年度、事業の内容も改善していただいたということです。何度も質問をしたかいがありました。これはありがとうございました。しかし、まだダンス・体操のメニューが多く、利用者の少ない事業も少なくないと思います。教室事業を少し整理していただいて、空いている時間は区民が利用できるようになったのでしょうか。
○古本スポーツ振興課長 教室数を見直すことによりまして一般利用可能枠は増加してございます。
○近藤 一般の利用枠が増加したということはとてもよかったと思います。
もう一つ、問題点なんですけれど、区民が体育館やグラウンドを借りたいと思い予約システムで予約をしようとすると、使えないことを示すバツが表示されます。そして区民は、それでもういっぱいだと思って諦めます。しかし、当日行ってみると、予約済みの体育館もグラウンドも使われていないということが何度もあったそうです。このような苦情が届いていますが、区には区民から苦情は届いていませんか。
○古本スポーツ振興課長 キャンセル対応との関係からシステムで予約することのできる期限を利用日の三日前までと設定させていただいております。その後利用者の操作ミスを防ぐために入力できない設定となってございます。御質問のような苦情は区へも指定管理者へも来てございません。
○近藤 区へも、指定管理者にも苦情が届かなくて私のところに苦情が来るというのは、どうなんでしょうね。その苦情を言いにくいシステムになっているんでしょうかね。やっぱり区民の声が届かない場所になってしまっているとしたらちょっと問題があります。
同じ施設予約システムを使い予約する哲学堂上高田運動場のテニスコートはいつも予約でいっぱいです。そしてもちろんバツになっています。キャンセルするときは、当日大雨でもない限り、施設にキャンセルを入れるように言われます。使いたい多くの区民が待っているので、ぎりぎりまで別の人が使える体制を用意しています。三日前にキャンセルが分かっているのに、それをそのままにしていくというのは完全に問題があると思います。何日も前にキャンセルが分かっているのでしたら、予約システムのバツを空きにしておくべきです。使っていない場所が度々予約済みになっている原因が分かれば教えてください。
○古本スポーツ振興課長 電算システムの運用につきましては先ほど御説明したとおりでございます。ただ窓口では利用日の前日まで予約を受け付けております。施設予約システムの運用につきましては指定管理者とも相談していきたいと思います。
○近藤 ほかの運動場でできていることができないというのはおかしいですし、一人でも多くの方が、使いたいと言っている方が使えるように改善をしていただきたいと思います。
そのように、相変わらず中部スポーツ・コミュニティプラザは区民にとっては使いにくい施設のようです。地域スポーツクラブの団体の数も増えず、僅かにある地域スポーツクラブの団体のメンバーは、区外から通う指定管理者の従業員の方がほとんどであると聞きます。そのような状態にもかかわらず、保健福祉部が評価した内部評価の適正性の欄には、「スポーツ・コミュニティプラザの施設管理及び地域スポーツクラブ事業運営については、指定管理者の専門性を活かした官民連携による手法として妥当である」と評価しています。指定管理者の専門性を生かしたとはどのような専門性を生かしたのですか。確かに体操を教えることが得意な方が体操の専門性は発揮しているようですけれど、そのほかにどのような専門性が発揮されているのでしょうか。
○古本スポーツ振興課長 委員御紹介の行政評価につきましては、スポーツ・コミュニティプラザの維持管理と地域スポーツクラブ事業を評価したものでございます。指定管理者は、スポーツ施設の管理や教室の運営といったような専門性を有しておりますほか、地域スポーツクラブの事務局という役割も担ってございます。効率的なクラブ運営や利用者の満足度の向上に一定の成果を上げているというふうに考えてございます。
○近藤 先ほどから申していますけれども、区民がグラウンドを使いたいときに取れず、苦情も言えず、そして整理は少ししてくださいましたけれど、体操・ダンスが多過ぎる。それが指定管理者が専門性を生かして発揮しているというのは、とてもちょっと、この評価はどうなのかなと思います。そして内部評価には、23区では指定管理者制度で管理運営している区はないと書かれています。そもそも地域スポーツクラブはスポーツ、健康づくりを通して地域住民の交流を図るための拠点であり、他区では地域住民が多様な団体、地域スポーツクラブを立ち上げ、地域で気軽にスポーツを楽しめる環境をつくっています。その団体が学校の部活を支援したり、住民が自分たちの力で取り組んでいます。中野区も設立当初はそのように試みましたが、住民だけの力では難しいと区が判断し、途中から指定管理者にお願いすることになりました。中野区だけが本来の地域スポーツクラブの趣旨とは違うやり方をしているのであって、決して褒められたことではないのです。指定管理者が専門性を発揮して運営するのであれば、中野区立総合体育館とどこが違うのでしょうか。
○古本スポーツ振興課長 地域スポーツクラブの事業は、運営委員会などの場で利用者等の御意見を伺いながら指定管理者の創意工夫ができる仕組みとなってございます。今後も利用者にとって使いやすい事業としていきたいというふうに考えてございます。
○近藤 ちょっと勘違いされていて、指定管理者が創意工夫するのではなくて、住民や地域の方の声が指定管理者に伝わり、きちっと住民が使いやすい施設になるということが一番の目的であって、指定管理者が創意工夫するとか指定管理者にお願いをしっ放しという状況というのはちょっといかがなものかと思います。地域スポーツクラブの目的は住民主体ということもありますが、文部科学省が始めた総合型クラブ創立の経緯からすると、大人のクラブ活動の延長に子どもたちも指導したりする。極力行政コストをかけずに地域で気軽に運動ができる場を提供する内容です。行政コストも、中部・南部で1億900万円が指定管理者に区から物件費で支払われ、教室事業も別に利用者から指定管理者に支払われます。財政的に厳しい非常事態の中野区です。コストの削減と区民がもっと気軽に立ち寄り、健康づくりやスポーツができる場所を目指して、中部スポーツ・コミュニティプラザのさらなる改善を求めますが、いかがでしょうか。
○古本スポーツ振興課長 地域スポーツクラブは、運営委員会での意見を、事務局であります指定管理者がクラブ運営の改善につなげているというふうに考えてございます。クラブの運営に指定管理者や区がどのように関わっていくかにつきましては今後も検討をしていきたいと思います。
○近藤 本当に何度も何度も質問しているんですけれど、使いやすい、区民が気軽に立ち寄れる、指定管理者の方の影響力というのがかなり大きいというそういう施設ではなくて、地域スポーツクラブのクラブ員もやっぱり増えていかないと、指定管理者の従業員が楽しんでいる場所を、それも他区からの人という状態というのはちょっと特殊だと思うんですね。ぜひその辺は改めていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
次に集団回収、古紙の回収について伺います。平成18年度(2006年度)、まだ行政と集団回収による実践団体の両方が古紙を回収していた頃の、それぞれの行政回収費と集団回収報奨金の額を教えてください。
○伊東ごみゼロ推進課長 平成18年度におけます古紙の行政回収経費でございますが、1億428万1,080円、集団回収報奨金の額は7,891万6,266円でございました。
○近藤 平成19年から行政回収を停止し、区内全域で集団回収へ移行しましたが、そのとき集団回収で幾らかかったのでしょうか。増加額も教えてください。
○伊東ごみゼロ推進課長 集団回収に一本化しました平成19年度の集団回収報奨金の額でございますが、1億799万1,402円でございまして、前年の平成18年度と比べまして約2,900万円増加いたしました。
○近藤 平成18年度以降、町会・自治会など、集団回収実践団体の数はどのように推移してきたんでしょうか。
○伊東ごみゼロ推進課長 まず、平成18年度でございますが、集団回収の実践団体は211団体。5年後の平成23年度は223団体、10年後の平成28年度は232団体ということで、おおむね5年ごとに10団体ほど増えてございまして、昨年度はさらに増えまして259団体となってございます。
○近藤 実践団体の数は順調に増えているということですね。この実践団体の内容はどのようになっているのでしょうか。
○伊東ごみゼロ推進課長 実践団体につきましては、町会・自治会のほか、集合住宅のマンション等の管理組合等でございますけども、町会・自治会の数は年によって異なりますけども、おおむね105から107で推移してございますので、町会・自治会以外は、先ほど言いました大規模集合住宅の管理組合等の団体でございまして、こちらが増加してきたというものでございます。
○近藤 町会はあまり変わらないけれども、ほかのマンションですとかそういうところが増えているということですね。区が古紙の回収を全域集団回収に移行するに当たって、平成19年第4回定例会の区民委員会で議論がありました。古紙の市場価格が下がったときなどどのように対応するのか。ということは、安定性・継続性に問題・課題があるということを、その当時から区は認識していました。区内全域集団回収を始めてから10年以上が経過しましたが、事業を開始する前から課題とされてきた安定性・継続性に対してこの間区はどのように取り組んだでしょうか。
○伊東ごみゼロ推進課長 当時、集団回収の今後の課題としまして、市況に左右されない、つまり、古紙の相場に左右されないような安定的・継続的な仕組み、こうした仕組みをつくっていかなければならないという課題認識を持ってございまして、ただ、しばらくは古紙の市況価格が、制度発足後安定してきたため、この間特段、制度変更の対策等を行う必要もなく、制度を安定的かつ継続的に行うことができてございましたが、昨今の中国の古紙等の輸入制限ですとか、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行の影響によりまして古紙の国外への輸出が困難となってございまして、古紙の国内価格の相場がかなり下落し続けてございまして、そのために、集団回収をこれまでどおり維持継続していくために、集団回収事業者を支援する集団回収維持対策事業を本年5月から実施したものでございます。
○近藤 今年の5月、第2次補正予算で集団回収を維持するために古紙相場の下落の収益が悪化する区内回収業者に5,968万3,000円の支給をしました。集団回収は行政にとっては経費削減、住民のリサイクル意識を高めることに寄与することなど利点があります。実践団体にとっては活動資金を得られることなど利点があります。しかし、今年はコロナウイルス感染症の影響で海外市場への輸出が困難になってしまったのでやむを得ないかもしれませんが、デジタル化が進み、区民の新聞購読量の減、新聞販売店によるトイレットペーパーとの交換の仕組みなど、目に見える形で集団回収の量は減っています。今後も集団回収を維持していくためには、事業者を守っていかなければならない集団回収維持対策事業を実施しましたが、実践団体、特に町会にとっても地域活動を支える貴重な財源となっています。平成31年度は平成19年度と比べると30%も減ということです。若林議員からも報奨金の見直しの質問がありましたが、もちろんそこは検討していただきたいと思いますが、別の観点で長期的な視野で考えていく必要があると思います。私は、集団回収によって、区民の古紙に関するリサイクル推進はほぼ成果を上げたと思います。今後ますますデジタル化が進む中で、価格の安定しない古紙回収の報奨金だけに頼るのではなく、町会の活動を支援するという意味では、それぞれの町会には環境部があり、地域の美化、集積所の清掃など私たちの生活環境を整えてくれる活動も行っています。今年はパートナーシップも締結しました。町会と区民が一緒に取り組める環境施策はほかにもたくさんあると思います。古紙回収だけに特化しない環境全体の課題解決に寄与できるような取組を町会と進め、そこに環境補助金のような持続性のある応援の仕組みをつくっていくことも必要ではないかと思います。すぐにお答えは出ないと思いますからお答えは結構ですけれど、ぜひ環境課題にも取り組んでいけるような支援の在り方も考えていただきたいと思います。よろしくお願いします。
これで質問を終わります。ありがとうございます。