令和3年 第3回定例会 9月24日 決算特別委員会総括質疑
1,新型コロナウイルス感染症対策について
(1)窓口職員を感染症から守る対策について
(2)スポーツ施設の対応について
(3)その他
2,新たな機能を備えた児童館について
3、高齢者の人権擁護について
○近藤 無所属の近藤さえ子です。よろしくお願いいたします。令和2年度は新型コロナウイルス感染症対策に追われた1年でした。現在も感染症の終息には至らず、職員の皆様の心労は絶えることがないと思います。日々の御尽力に感謝して、質問に入らせていただきます。
3番の高齢者等の人権擁護については、時間の関係で、またの機会にさせていただきます。
まず、新型コロナウイルス感染症対策について伺います。
(1)窓口職員を新型コロナウイルス感染症から守る対策について伺います。全国、東京都での新型コロナウイルス感染者の増加に伴い、今年8月には中野区の戸籍住民課でも感染者が出ました。そのとき、職場は消毒されたのですが、消毒範囲がとても狭い範囲で、職場で働く職員たちはとても不安であったという声を伺いました。その1か月前には、中野区にある窓口業務を伴う大規模な民間事業所でも多くの感染者が出ましたが、消毒をする範囲がほんの一部で、陽性になった職員たちは広く社内を動いているので、もっと広範囲に消毒をしなくても大丈夫なのかと、その会社の社員からも消毒のことについて質問されました。この2件は全く別のところで新型コロナウイルスの感染があった現場なのですが、消毒についての不安の声は同じだったので、区は職場内で感染が発生した場合、どのように消毒が行われるのか、消毒の基準のようなものがあれば教えてください。
○中谷職員課長 特に消毒の方法などの決まりや基準といったものはございませんが、感染者が使用していた机や窓口のカウンター、共有物品など、ウイルスが付着している可能性のある物品のアルコール消毒を各職場で行うよう徹底をしてございます。日頃から新型コロナウイルスの感染予防のために手指消毒や共有物品の消毒など、小まめに行うように全庁に対して周知しているところでありまして、それぞれの職場において対応しているところでございます。
○近藤 2件とも社員・職員たちが疑問に思った初期の段階で迅速に広い範囲での職場内の消毒が行われていれば、戸籍住民課でも多くの感染者を出すことはなかったのではないかと思いますが、どうだったのでしょうか。
○伊藤戸籍住民課長 戸籍住民課では、日頃から窓口カウンターや筆記具、共用テーブル、業務端末などの消毒及び職員の手指の消毒を徹底してございました。さらに感染者が発生したときには、使用していた机や業務端末などの消毒を行ってございました。保健所からは感染者の発生を防ぐために、職員が小まめに消毒できるように、共用のテーブルや業務端末のそばに消毒液を増やすほか、執務室内の空気の換気や職員の密な状態を解消することが必要であると指導され、直ちに実施してございます。今後も日常での消毒や換気を徹底していくほか、職員の密な状態を解消することで感染者を出さないようにしていきたいと考えてございます。
○近藤 私は業者が消毒をしてくれるものだとばかり思っていたんですけれど、この取材で初めて、職場内の人たちが自分たちで行うということで驚いたのですが、私が見た限りでは、大勢の感染者が出た民間企業も戸籍住民課も、その両方の事務所は明らかに感染防止の機能が低かったと思います。戸籍住民課では今回の件を踏まえて、これまでの新型コロナウイルス感染防止対策から、どのように改善したのでしょうか。
○伊藤戸籍住民課長 マイナンバーカード交付係執務室の一部パーティションの撤去や、窓口のビニールカーテンの切り下げを行ったほか、大型扇風機の増設やサーキュレーターの位置を変えたこと、高い位置にある窓を開放するなどで空気の循環を改善いたしました。また、窓口でマイナンバーカードの受付業務を行っていた委託事業者のスペースを窓口の外に設けたことや、執務室内で行っていた作業を係の執務室の外にスペースを設けて行ったことで、執務室内での職員の密な状態を改善いたしました。さらに、これまで以上に消毒液を増やし、職員が共用で使用するテーブルや業務端末のそばに置き、職員が小まめに消毒できるように改善してございます。
○近藤 戸籍住民課は区役所の中でも換気が十分にできにくい場所であり、働いている職員、会計年度任用職員、委託職員と大勢の職員が出入りをし、区民との接触も多い部署です。職員たちは、いつ自分も感染してしまうのではないかと不安であったと思います。換気の悪い場所に大勢の職員が働き、少しの範囲でしか消毒されないことに不安を感じ、職員がなぜもっと消毒をしないのでしょうかと尋ねると、消毒をするとそれぞれ各自の行動がおろそかになるから消毒はしないと言われたそうです。職員、会計年度任用職員、委託職員、誰もが自分たちは新型コロナウイルスに感染したくないに決まっています。自分たちは精いっぱい感染予防のために行動していると思います。その不安な気持ちでいるときに、その言葉はあまりにもひどかったのではないかと思いました。区では職員が業務を行う上で不安にならないように、継続的に新型コロナウイルス感染予防対策に努めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○中谷職員課長 職場における新型コロナウイルスへの感染に対する職員の不安を払拭し、職員が安心して業務を行うことができるように、今後も継続的に職場における感染予防を周知徹底していきたいと考えてございます。
○近藤 この取材の中で分かったことなんですけれど、消毒の経費は各課で持つということが分かりました。消毒等にかかる予算も手間も全て感染した部署が持たなくてはならないというのも、この取材を通して初めて知りました。大勢の職員を抱えて、換気も悪い場所で働かされて、住民対応に追われる部署に対して、自己責任ばかりを押しつけるのではなく、区全体として換気対策、密にならない工夫など、さらなる改善を求めていきたいと思いますけれど、よろしくお願いいたします。
次に、スポーツ施設への新型コロナウイルス感染症対策について伺います。令和2年度決算におけるスポーツ・コミュニティプラザ、以後スポコミと言います、3館それぞれの指定管理料、新型コロナウイルス感染症による補償額は幾らになりますか。
○古本スポーツ振興課長 スポーツ・コミュニティプラザにつきましては、令和2年度は中部スポーツ・コミュニティプラザと南部スポーツ・コミュニティプラザとをまとめて指定管理を行っておりましたことから、この二つの施設は合算した数値でお答えをいたします。順に、中部スポーツ・コミュニティプラザと南部スポーツ・コミュニティプラザの令和2年度の指定管理業務経費は1億566万8,355円、補償額は848万4,020円、鷺宮スポーツ・コミュニティプラザにつきましては指定管理業務経費が9,576万8,447円、補償額は1,973万8,551円でございました。
○近藤 中部スポコミと南部スポコミで一括払い、鷺宮スポコミは別ですが、今年度から3施設一括支払いとなりましたので、指定管理者は三つの施設の中でメニューなどが調整でき、地域の施設それぞれの内容の充実度に差があっても、指定管理者としては一括の振込ですので、何も問題がない仕組みとなっています。今までの指定管理者が行ってきた教室への参加人数の少なさなどを見ても、民間企業のよさ、利益を上げなくてはつぶれてしまうという努力をしなくても、区からの指定管理料が入ってくることに甘えていると感じていました。指定管理業務プラス補償費として3施設で2億2,000万円余りの税金を投入したスポコミは、新型コロナウイルス感染症で休館していた時期は、区民に対してどのようなサービスを提供していたのでしょうか。
○古本スポーツ振興課長 施設の利用中止期間中も窓口業務等は行っておりまして、施設の予約や会員登録の受付業務、利用料金の収納業務のほか、中止となりました教室の参加料や団体利用料金の還付事務等を行ってございました。
○近藤 区の介護・高齢者課では、職員がなかの元気アップ体操ひろばをオンラインによる体操として導入したり、コロナ禍で高齢者が運動できるように工夫されていましたが、こちらは当然の事務手続だけで、特に区民へのサービスの提供はありませんでした。上高田・哲学堂運動施設、妙正寺川公園運動場の利用制限等に伴う指定管理者業務経費の補償は3施設で724万3,669円と、補償額はスポコミと一桁違う少なさです。これはどういうことなのでしょうか。
○古本スポーツ振興課長 令和2年4月から6月初めにかけまして、利用中止期間以降でございますが、屋外施設につきましては人数制限等は行わず、基本的に通常の運営を行っていたことによりまして、指定管理者への補償額も少なくなっているものでございます。
○近藤 屋外ですから感染対策をしながら利用することができたということですね。中部スポコミには運動場がありますが、これはコロナ禍でも感染対策をしながら利用できたと思いますが、哲学堂運動施設などの野外スポーツ施設が利用を許可されていた緊急事態宣言中に、中部スポコミの運動場は何回使われたのでしょうか。
○古本スポーツ振興課長 令和2年度におきまして、緊急事態宣言が発令されておりました期間で屋外施設の利用を認めておりましたのは令和3年1月から3月まででございまして、この3か月の間に中部スポーツ・コミュニティプラザの屋外運動広場の延べ利用件数は261件でございました。
○近藤 3か月で延べ利用件数という件数で261件では、他施設に比べたらかなり少ないとは思いますが、取りあえず利用できたことはよかったです。昨年の他のスポーツ施設の予約は、キャンセルが出た場合に当日の時間ぎりぎりまで別の人が予約できるシステムになっているということを申し上げました。中部スポコミは使用日の3日前までしか対応できず、キャンセルが出てしまったときはそのスペースは空き状態になっているので、もったいないので改善を求めましたが、予約の改善はできましたか。
○古本スポーツ振興課長 施設の有効活用を図りますため、予約の取り消しは利用の3日前までに行うこととなっております。その後、利用の前日までは他の利用者が予約をできるようにしてございます。今後は、新規の団体登録の際などに施設の予約は利用日の前日まで行うことができるということを広く周知するよう改善したいと思います。
○近藤 まだ改善は、3日前ということで進んではいませんけれど、改善の方向で進んでいるということなので、ぜひ改善していただきたいと思います。私は今まで散々、地域スポーツクラブ事業の運営方法の問題点について指摘してきましたが、昨年の決算の内部評価では、スポコミの施設管理及び地域スポーツクラブの事業運営について、指定管理者の専門性を生かした官民連携による手法として妥当であると評価していましたが、それがなぜ急に構造改革の対象となったのでしょうか。昨年の行政評価が間違っていたということですか。私が長年言い続けてきたことが急に理解できたということですか。それならばよかったのですが、あまりにも急な運営の見直し、どのようなことか御説明ください。
○古本スポーツ振興課長 令和元年度の内部評価では、建物でありますスポーツ・コミュニティプラザの施設管理も含めて総合的に評価を行いまして、官民連携の手法による事業の運営という観点から適正であると評価をしたものでございます。一方で、地域スポーツクラブは、これまでの取組の中から会員が中心となりまして自主的に活動を行う団体が増えてきておりまして、今後はこのような動きを区として支援していく必要があるというふうに考えまして、構造改革実行プログラムの案の項目としてございます。
○近藤 言い方はそういう言い方ですけど、だんだん気がついてきたということは本当によかったです。本来の地域スポーツクラブの意義を見直して、区民の自主的な活動を増やし、指定管理料は極力抑えていくべきと考えますが、区の見解を教えてください。
○古本スポーツ振興課長 構造改革実行プログラムの案では、戦略の2、公助の体制強化と共助の促進の中にこの地域スポーツクラブの考え方の見直しを位置付けてございます。会員が主体的に運営する総合型地域スポーツクラブの活動により、効果的な事業運営を目指しますとともに、事業費の削減等にもつなげていきたいと考えてございます。
○近藤 ぜひ事業費の削減をお願いしておきます。コロナ禍でも指定管理者には大変甘い区ですが、コロナ禍でスポーツ施設を使う区民にはどうだったのでしょうか。上高田・哲学堂運動施設は予約方法も区民にとって利便性がよく、指定管理者としては特に問題がないようですが、これはスポーツ施設だけに限らないのですけれど、区民が驚かれたことを一つ申し上げます。緊急事態宣言下で野球場・テニスコートも20時までの使用です。ですから通常の夜間の時間帯は19時から21時までになっていますが、1時間しか使えない状態です。照明代は1時間しか使っていないので、2時間2,800円のところ、1時間1,400円を徴収していました。しかし、利用料は2時間ほど徴収していました。他の区内施設もそうですが、これはどこでどのように決まったのですか。
○古本スポーツ振興課長 20時をまたぐ夜間枠につきましては原則使用中止でございますが、利用料の減免措置が行われないということを利用者が同意した場合に、例外的にその利用を認めているものでございます。緊急事態宣言に伴う区有施設の使用・貸出しの考え方につきましては、区の危機管理等対策会議で確認をされておりまして、全庁で統一的な取扱いとなっているものでございます。
○近藤 それでは、なぜ照明代は1時間にしたのですか。
○古本スポーツ振興課長 野球場やテニスコートの照明設備につきましては、使用する時期や時間帯により料金が発生するものでございまして、実際に使用いただく時間に応じた御負担を頂くことになっているのが理由でございます。
○近藤 でもテニスコートなども、実際に使った時間は1時間ですよ。では、なぜそれは2時間分にしたんですか。
○古本スポーツ振興課長 先ほども申し上げましたが、20時をまたぐ枠につきましては原則使用中止でございます。利用者の方が減免措置が行われないということに同意いただいた場合に、例外的に利用を認めているものでございまして、区有施設の使用・貸出しの考え方については全庁的な取扱いとなってございます。
○近藤 テニスコートを使用している区民が、他区は使用時間分だけしか徴収していないけれど、中野区は使用していない分も払うのはおかしいと思い、指定管理者ではなく、区にその疑問を問い合わせたそうです。私もこの方に言われて、杉並区、練馬区、東京都の施設に電話をかけてみました。電話をかけた自治体は、全てが使用した分の時間だけ支払うことになっていました。中野区は、スポーツ施設使用料は他区と比べても安く、利用者は大変ありがたいと思っています。緊急事態宣言でも屋外のスポーツができるようにしてくださった区の対応はとてもよかったと思います。しかし、この方の問いに理論立てて答えられなかったせいか分かりませんが、2時間が主要単位ですので御不満でしたら利用されなくても結構ですよ、もともと緊急事態宣言が出ているのですから使ってほしくないのですよという趣旨のお答えをされたと聞いています。私が他の施設に1時間分でよいのですかとお尋ねしたところ、練馬区も杉並区も、もちろん使った分だけ頂きます、御迷惑をおかけして申し訳ございませんと丁寧な対応が返ってきました。1時間分しか使用していないのに2時間分を払ってもたくさんの抽選者がいるということは、利用者はお金を払いたくなくて問い合わせたのではなくて、納得できる説明を受けられればよかったのだと思います。区民に対して丁寧な対応をしていただきたかったと思いますが、いかがでしょうか。
○古本スポーツ振興課長 区内のスポーツ施設を利用いただくに当たりましての注意事項等は、区や指定管理者のホームページ、そのほかチラシ等で周知に努めているところでございます。窓口や電話での問い合わせに対しましても、区の方針や規定などを分かりやすく説明いたしまして、丁寧な対応を心がけて、多くの区民の皆様に施設を利用していただけるよう努めていきたいというふうに考えてございます。
○近藤 今話した消毒の件もテニスコートの料金の件も、区がもう少し職員や区民に寄り添い、説明していれば、不安や不満が発生しなかったと思います。コロナ禍で今までにないプラスのお仕事、対応に追われているとは思いますが、区民に丁寧な対応をお願いします。そして、区から補償されるから問題ないと安心しているスポーツ施設・文化施設等の指定管理者などには、もっと工夫をされて区民サービスの向上に努めていただくように指導していただきたいと思います。
次に、新たな機能を持つ児童館について伺います。財政白書を見ますと、区民1人当たりの行政コストについて説明が書かれています。区民1人当たりの行政コストが低いほど、行政活動が効率的に実施されていることを意味しており、一方で、高いほど効率的ではないことを意味していますとあります。その観点から考えますと、児童館は区民1人当たりの行政コスト1,779円、キッズ・プラザは584円となっています。児童館よりキッズ・プラザのほうが行政活動が効率的に実施されているという見解ということでよろしいですか、御説明ください。
○細野育成活動推進課長 児童館の行政コスト計算書に計上している費用のうち、人件費が76.8%、物件費が23.2%でございます。キッズ・プラザは物件費のみでございまして、その大半が事業運営委託費でございます。両施設の運営形態の違いや利用者数の違いから、区民1人当たりの行政コストに差が出ているものと認識してございます。また、両施設とも使用料を徴収する施設ではございませんので、いかに低コストで利用者の満足度を高める運営に努めるかが今後重要であるというふうに考えてございます。
○近藤 となると、保育園の1人当たりの行政コストは7,857円ですから、キッズ・プラザ、児童館などと比べても、最も行政活動が効率的に行われていないということになります。しかし、保育園の場合は、共稼ぎの家庭が増える中、子どもを預けなくては親は働きに行けないので、改善しなくてはいけないところはたくさんありますが、たとえ行政コストが非効率であったとしても、今後も保育園にかかる区民1人当たりの行政コストは大きくても仕方がないということだと思いますが、いかがでしょうか。
○渡邊保育園・幼稚園課長 保育園では標準の保育時間が11時間と長いことや、0歳児から5歳児の年齢の低い児童を預かるため、職員の配置基準も厳しく、手厚いことなどが児童館やキッズ・プラザに比べ行政コストが高くなっている理由でございます。
○近藤 子どもを保護者に代わって見守り、育ててくれるのですから、保育園に人件費がかかるのは当然のことだと思います。では、学童クラブ・児童館の行政コストはどこで抑えればよいのでしょうか。前区長は児童館を廃止し、キッズ・プラザを全小学校に入れていくことを計画し、新しい中野をつくる10か年計画(第3次)で掲げていましたが、その計画作成の途中で意見交換会、パブリック・コメントには、いつも多くの児童館を存続してほしいという区民の声が寄せられていました。そして、3年前に酒井区長が児童館を残すことを公約にして区長に選ばれました。私は小学生の放課後の居場所を小学校の中だけにしたくないという思いから、児童館廃止の前区長の考えに反対して、何度も児童館を残してほしいと質問を重ねてきました。しかし、前区長時代は何を聞いてもキッズ・プラザがあるから大丈夫ですというお答えで、子どもたちの育ちや児童館の必要性などの点には耳を傾けてくれませんでした。多くの区民が児童館が必要であると言っているのに、一貫してキッズ・プラザで解決しようとしていたのは、まさに行政コストを最優先しての考えだったと思います。しかし、酒井区長は行政コストがかかっても新たな機能を備えた児童館を9館残すことを決めました。児童館を残すこと自体は大賛成です。しかし、先日9月2日に子ども文教委員会に示された新たな機能を備えた児童館についてを見ますと、これが残してほしいと熱望した児童館の姿なのかと疑問に思いました。共稼ぎの保護者が多い中、小学校低学年にとっても最も必要性の高い場所である学童クラブをなぜ新しい児童館の中に入れないのでしょうか。
○細野育成活動推進課長 新たな機能を備えた児童館につきましては、学童クラブ移転後のスペースの活用を考えています。そのスペースを活用して機能強化を図っていく考えでございまして、新たな機能を備えた児童館には、学童クラブスペースをいずれ移転してなくなる形で考え方をまとめさせていただきました。
○近藤 では、なぜ新しく建てる学校でさえも、学校に学童クラブを全て入れていっていないんでしょうか。
○細野育成活動推進課長 こちらにつきましては、学校内でキッズ・プラザと学童クラブを一体的な運営を目指しているところでございますが、限られた学校施設の中で両方の、キッズ・プラザも学童クラブも、ともに最大の効果を得られるように活動場所の確保に努めているところでございます。
○近藤 練馬区では学校の中に学童クラブを入れていますが、児童館の中にも学童クラブがあります。中高生の居場所もあります。小学校低学年も児童館で遊ぶことができます。中野区の新たな機能を備えた児童館、わざわざ学童クラブを外に出して、学校の中には入り切れず、民間学童クラブを増やして、民間学童クラブを誘致できなかったところは学童館までして独立した感をつくる、どう考えても行政コストが無駄にかかっているとしか思えません。新たな機能を備えた児童館、一番優先されるのは学童クラブを今ある児童館に残すことではありませんか。
○細野育成活動推進課長 学童クラブにつきましては、キッズ・プラザ併設型を基本に整備をしていく考え方でございます。児童館につきましては、この間様々な機能を強化してやっていくということを申し上げておりますが、学童クラブではなく、子どもの居場所としての機能は重要だと考えておりますが、そのほか、地域の見守りやネットワーク支援、そういった活動を強化していきたいという考えから現状のような計画になっているところでございます。
○近藤 私の地元には北原児童館があります。児童館のすぐそばには北原小学校があります。1年生の足でも、遠い学校南門からでも3分ぐらいで児童館に着きます。今までの児童館が機能していますので、学童クラブも小学校低学年の居場所も児童館の中にあります。それをわざわざ学校にプレハブまで建てて学童クラブを確保したり、学校の中にキッズ・プラザを造る必要はありません。小学校高学年、中高生、地域の人たちも、小学校低学年、学童クラブの子どもたちも一緒に過ごすことができています。職員たちは相談にも乗ってくれます。区が新たな機能を備えた児童館と言っている機能は、ほとんど網羅されています。休日の開館も、もう20年以上前からNPOの方たちが行っています。もし新たな機能を持つ児童館になってしまったら、一番肝腎な小学校低学年の子どもたちの居場所が学校だけになってしまいます。9館残す新たな児童館を、学童クラブを存続させ、わざわざキッズ・プラザは造らず、今までの機能でいたほうが行政コストもかからず、子どもたちの居場所が減らないと思いますが、いかがですか。
○細野育成活動推進課長 学童クラブにつきましては、需要の高まりが引き続きございます。こちらについては、放課後の安全・安心な居場所としてキッズ・プラザを造り、併設する学童クラブを設け、定員も最大限そこで賄えるように進めていきたいという考え方でございます。それ以外にも、子どもの居場所や地域の支援が必要というふうに考えまして、キッズ・プラザ、学童クラブのほかに児童館も一定程度整備していく必要があるというふうに考え、現状の9館を残していくという考え方ということを述べさせていただいております。
○近藤 少し細かいことを確認させてください。前区長の時代は、教育長が小学校高学年は習い事や塾に行っているので、児童館はほとんど使わないので、小学生の居場所はキッズ・プラザだけでよいとおっしゃっていました。新たな機能を持つ児童館は小学校高学年も居場所となりますが、急にこの数年で高学年は習い事や塾に行かなくなったのでしょうか。
○細野育成活動推進課長 急に行かなくなったということではないと考えておりますが、高学年児童や中高生が塾などで多忙な生活の間に立ち寄り、交流したり、各自の興味・関心に応じて仲間と活動ができる場を用意する必要があるというふうに考えます。児童館がコーディネートをし、高学年の児童や中高生の活動を支援する地域活動につなげるように取組を行ってまいりたいと考えてございます。したがいまして、キッズ・プラザの整備に伴って児童館内の学童クラブを移転させた後の施設も活用して、順次、高学年児童や中高生の利用しやすい施設に整備していきたいというふうに考えてございます。
○近藤 学校の中の学童クラブとキッズ・プラザ、子どもたちの居場所は夏休みでも学校の中となりますが、この点は新たな児童館ができることによって学童の子どもたちに変化はありますか。やはり1年中、学校の中の学童クラブで過ごすということになりますか。
○細野育成活動推進課長 夏季休暇中とかはそのようなことになります。キッズ・プラザ併設の学童クラブの場合は体育館や校庭も利用が可能です。長期休業中は併設のキッズ・プラザや様々計画されている行事や活動を利用していただきたいというふうに考えてございます。
○近藤 結局、学童クラブの子どもたちは学校の中に1年中いるということですね。このままでは学校の中の学童クラブ、キッズ・プラザ、新たな機能を持つ児童館、学童館、民間学童クラブと施設だけがたくさん残り、今までの児童館のよさはなくなり、行政コストだけが膨らんでいきます。新たな児童館の機能を見ますと、乳幼児、小学生、小学校高学年の居場所以外、相談機能、地域スペース、中高生の勉強スペース等は児童館でなくても、区民活動センターや図書館、高齢者会館などの施設をうまく活用することでも作れます。何より需要の大きい学童クラブを今までのように児童館に入れることと小学生誰もが自由に使える児童館にすることが行政コストを抑えて区有施設を有効活用にすることになると思いますが、いかがでしょうか。
○細野育成活動推進課長 学童クラブが学校内に移転をということを申し上げてきました。学童クラブが移転した後のスペースにつきましては、乳幼児親子の強化のためのスペースや高学年児童及び中高生の学習場所などとして活用していく考え方でございます。今後、児童館につきまして、地域の活動の拠点としても活用していただいて、全体の健全育成や包括ケアに資する施設にしていきたいというふうに考えてございます。
○近藤 小学生に絶対的に必要な機能、学童クラブと小学校低学年の居場所を児童館から出していくということは、新たな機能を持つ児童館はいつでも別の用途として利用可能な施設となります。結局は児童不在の児童館を9館残し、児童館廃止を先延ばしにしただけではないかと危惧します。開館日が拡大されるということですが、児童館は予約の要らない区民活動センターでも、お金を出して入場する民間の子どもの施設でもありません。単なる遊びの場を提供している場所ではないので、仲よしグループだけの集まりや、例えばお父さんのいない子どもが休日に児童館に来て、乳幼児を連れて集まっているお父さんたちを見て疎外感を持つようなことがあってはなりません。平日も地域団体の拠点や学習スペースにしようとしていますが、児童館はただの場所貸しの建物ではありません。新たな児童館は、今までの職員の皆様が築いてきたような母子・父子家庭のお子さんも、両親とも育児に関われない家庭のお子さんも、障害を持つお子さんも、外国人のお子さんも、それぞれのお子さんの家庭環境が大きく違っていても、温かい見守りの中で子どもたちの健全育成に寄与できる児童館となるのでしょうか、御見解を教えてください。
○細野育成活動推進課長 児童館も含めまして、キッズ・プラザ、学童クラブ全体で地域の子どもたちの、または子育ての見守りを行っていく必要があると考えます。児童館につきましては今後、学童クラブ移転後のスペースも活用して、より地域のネットワーク支援や地域の見守り活動を行っていきたいというふうに考えておりまして、そのような取組で子どもたちを温かく見守る施設として運営していけることはできるというふうに考えてございます。
○近藤 温かく見守る、温かく見守るとおっしゃいますけど、子どもたち、いないんですからね、そこに。温かく見守りようがないですよね。児童館の本来の目的は、児童福祉法が示す児童に健全な遊びを与え、その健康を増進し、または情操を豊かにすることを目的とする施設です。児童不在の大人たちのたまり場・居場所とならないようにしていただきたいです。学校にも家庭にも居場所がない子どもにとって、今までの児童館が果たしてきた役割は大変大きいのです。この子どもたちが温かい見守りの中で遊びが確保されることが何よりも大事であるとお伝えして、私の質問は終わります。何か御見解があったらお願いします。
○細野育成活動推進課長 居場所ということにつきましては、児童館から近隣にできたキッズ・プラザのほうに利用が移っているという傾向も見られます。居場所機能については両方で賄っていくことが重要と考えておりますので、キッズ・プラザも御利用していただきながら、児童館も計画では数を最終的には九つとする計画でございますが、両方を御活用、それぞれの特徴に合わせて御利用いただいて、児童館を運営する側といたしましても、児童館の運営だけではなく、地域の子ども施設全体の運営をより丁寧に進めていくことで、全体の子ども施策の向上に向かっていきたいというように考えてございます。
○近藤 ぜひ児童館廃止の先延ばし案とならないようにお願いいたします。どうもありがとうございました。