私の議会報告

令和4年 第1回定例会 3月1日 予算特別委員会総括質疑

1.子育て先進区の実現について
 (1)新たな機能を備えた児童館について
 (2)プレーパークについて
2.地域包括ケア体制の確立について
3.哲学堂公園保存活用計画について


1,子育て先進区の実現について

 まず、重点プロジェクトの第1の柱、子育て先進区の実現に向けて2点伺います。
(1)新たな機能を備えた児童館について 伺います。
昨年の第4回定例会で四つの児童館を廃止する第85号の議案が否決されました。私はもちろん子どもたちに多くの居場所があったほうがよいと思っていますが、キッズ・プラザがすぐ近くにあり、利用する児童も少ない児童館で、今後職員の配置もままならず、建物は老朽化していくことなどを考えますと、四つの児童館を廃止することもやむを得ないと考えて賛成しました。財政面と、今までの児童館の職員が守ってきた質の高い中野区の児童館を残したいという私の思いは、区側の思いと同じであったはずなのですが、今年度利用者18人と少なかった一時預かり保育に、令和4年度は1,145万円も予算をかけるとしています。さらに、日曜日には、乳幼児親子に限定して児童館を開放すると言います。区は、職員配置や財政面を考えて4館の児童館を廃止するという厳しい判断をした一方、一部の乳幼児親子のためには、利用者が少なくても高額な予算を惜しまない、また日曜日まで、ごく一部の人を限定して児童館を開けるという考え方は理解に苦しみます。日曜開館はどのような運営方法をするのでしょうか。1館幾らの予算なのでしょうか。
○細野育成活動推進課長 日曜開館についてでございます。委託事業者により運営を行う予定でございまして、児童館の日曜日開館の管理業務委託費用は1館分112万円ほどでございます。また、その事業者は、利用者の安全確保、備品類の管理、巡回等を行う予定でございます。
○近藤 乳幼児親子以外の子どもたちは使えないのでしょうか。
○細野育成活動推進課長 この事業におきましては、乳幼児とその保護者の方を対象とした事業というふうに考えてございます。
○近藤 せっかく開けるのであれば、お父さんと赤ちゃんと兄弟だって一緒に来て遊びたいと思います。私の地元の児童館では、もう10年以上前から、NPO区民の力で日曜開館を行っています。誰でも遊びに来てよい空間を区民の力で提供しています。掃除や消毒は誰がして帰るのでしょうか。災害時の対応はどうなっているんでしょうか。
○細野育成活動推進課長 この事業におきましては、清掃、消毒については事業者が開館の前後で行います。また、災害時の連絡体制につきましては、迅速な対応が可能なように調整を行っているところでございます。
○近藤 ちょっと迅速にはどういう対応をするのか分からないですけれど。日曜開館をする児童館の館長たちは、たとえ自分は休日でも、児童館に出勤していなくても、児童館が開館されていれば児童館のことが気になるでしょうし、何かトラブルがあれば駆けつけなくてはならないと思います。日曜開館するにしても、職員が日曜日ぐらい気を遣わないでしっかり休ませてあげたい、こういった体制が必要と思います。また、児童館の職員たちは、絶えず児童館と地域との共存に気を配ってきました。長年、近隣とのトラブルにも対応してきました。区民の生活習慣は様々で、昼間に睡眠を取らなくてはならない人もいます。平日、子どもたちが元気に大きな声を出すの仕方がないとは思いつつも、日曜日ぐらいは静かにしてもらいたいという声もあります。財政面と利用者が少ないからと児童館を縮小していく方向性と、乳幼児親子には令和3年度の利用が極端に少なくても拡充して、令和4年度1,100万円以上もかけての一時預かり事業を進め、乳幼児親子だけに限定した日曜開館など、ごく少数の方だけに特別に手厚いサービスが行われることには違和感がありますが、どう考えたらよいのでしょうか。
○細野育成活動推進課長 区として子育て先進区の実現のための施策を進めておりまして、乳幼児親子への支援は重要なものであるというふうに認識してございます。児童館での一時預かり事業につきましては、保育園で実施している一時保育事業を補完するものとして、乳幼児親子にとって身近な施設において、当日利用枠も設定をし、実施をしたものでございます。本年度の事業につきましては、周知や事業の浸透の課題によって利用者数が伸びていないということは事実であって、そういった課題の認識はございます。次年度につきましては、こういったところについては改善を図っていきたいと考えております。
また、令和4年度実施予定である児童館とふれあいの4館で日曜日に行う乳幼児親子開放事業につきましては、区民の方々からの強い要望もあり、子育て支援策の一つとして実施するものでございます。小さいお子さんと保護者の方々の遊び場として実施をしてまいります。御利用された方々の声も踏まえながら、様々な施策の展開を進めていきたいというふうに、こんなふうに考えてございます。
○近藤 すみません。利用した方はそれは開いているほうがいいんですよ。それは開けてもらえるんですもの、自分たちのために。それが何人ぐらいになるか分かりませんけど。それはね、大事な施策だと私は思いますよ。とてもいいことではあると思いますよ。でもね、何かずっと中野区の児童館が大切にしてきたものとちょっと違うんじゃないかなって思うんですね。そこのところをやっぱりよく見極めていっていただきたいと思います。日曜開館は、区長とのタウンミーティングで届いた声とお聞きしましたが、区長が進める子育て先進区はどのような声を集めて決定していくのでしょうか、区のお考えをお聞かせください。
○細野育成活動推進課長 子育てカフェ、またそれ以外にも、子育てひろばや児童館に来館する方々、また遊びに来ている子どもたちから様々な意見や要望を聞く機会がございます。また、地域の団体の活動支援として、乳幼児親子支援活動助成や、区の政策助成なども行っております。そういった団体の方々からの意見も、またその課題についても、日々伺う機会がございます。そういった声を受け止めまして、中野区が子育て先進区を実現していくための様々な施策を展開していきたいというふうに考えてございます。
○近藤 ぜひ、モデル事業なんでしょうから検討していっていただきたいと思います。お兄ちゃんたちだって、絶対一緒に入ってきちゃうと思いますよ。そういうところ、乳幼児だけというのはちょっと無理があるかなとか、いろいろ思います。

(2)プレーパークについて

次に、プレーパーク について 伺います。
令和4年度の新規事業プレーパーク31万6,000円の予算は、何に使われるのでしょうか。
○細野育成活動推進課長 令和4年度予算では、地域でプレーパーク活動している方々や、これから地域でプレーパーク活動をしてみたいという方々を対象に、プレーパークの普及啓発のための区主催の講演会の講師謝礼や、プレーリーダー養成講座の受講料の助成費を計上してございます。
○近藤 中野区のそれぞれの地域で、子どもたちのために多くの皆さんが活動しています。私の地元でも、交通費も出ない中、下見に行き、キャンプに子どもたちを連れて行ったり、小学校を使ってミニリーダー、子ども会、NPO、おやじの会など、子どもたちに多様な経験をさせてあげたいと、体を使う体験や動物と触れ合う体験など、様々な活動をしてきました。それらは地域の方々を巻き込みながら行ってきました。子どもたちが、地域の人が行っている行事に気軽に参加してきました。それぞれの団体が区の補助金を申請したり、人員不足に頭を悩ませたりしながら、工夫して活動してきました。
プレーパークは子どもたちにとって楽しい場所であると、私も思います。いいことだと思います。また、プレーパーク活動を行っているお母さんたちが、よい活動ですよ、すばらしいですよと、熱い説明もお聞きしました。プレーパークの価値を否定するものではありません。問題は、プレーパークと区がどのように関わっていくのかが見えてきません。プレーパークは区の事業なのでしょうか。人材育成は他の活動を行っている団体も頭を悩ませています。プレーパーク事業にだけ人材育成の支援を行い、事業を拡大する理由は何なんでしょうか。
○細野育成活動推進課長 現在、プレーパーク事業は、放課後子ども教室の一つとして、子どもたちに様々な体験活動を提供する場をつくるという考えの下、区立の公園にて、区が地域育成団体へ委託して実施をしているものでございます。中野区基本計画においても、プレーパーク事業の拡充を目指しているところでございます。また、区民からの要望も多いこともあります。このため、各地区の特色、資源等を生かし、地域に根差した活動を行う団体を支援していくことによって、区内各地区でプレーパーク活動が展開されていく、そんなことを目指して施策を進めていきたいと考えてございます。
○近藤 今まで地味に子どもたちの活動をしてきた団体たちは、場所の確保に苦労して、区民活動センターの抽せんに並んでは外れたり、キャンプに行って作るカレーの野菜の大きさまで厳しいチェックを受けてきたりしていました。公益活動の補助金や助成を受けるのに複雑な書類提出、パワーポイントでの発表など、身をすり減らして補助金を頂き、自分たちでPTAや地域の人たちに声をかけて、まさに住民自治で担い手を探して、子どもたちのためにと頑張ってきました。プレーパークを否定はしていないんですよ。ただ、ここに急に何か――私としては、急だなという感じなんですよ。一つの、放課後子ども教室の一つが、急に何か区の事業になっちゃって、それを広めていくって、そんな地域で広めていくほど、そんな単位で広めていくものなのかなとか、いろいろやっぱり不思議な点が多いんですよね。他の多くの団体が区から人材育成の支援も、普及活動も受けていません。不公平感が否めませんが、どのように整理したらよいのでしょうか。
○細野育成活動推進課長 区内の遊び、憩いの環境について、子育て家庭の満足度を高めていく必要があるというふうに認識してございます。子どもが屋内外で遊べる環境の充実に向けて、プレーパークの設置が必要であるというふうに考えてございます。そして、プレーパーク事業は、遊びの中に子どもたちにとって冒険的な要素が含まれており、子どもの想像力や工夫を凝らした遊びを支援するとともに、安全確保等を適切に行う必要がございます。そのためにプレーリーダーの養成が重要でございまして、人材の育成支援を行ってまいりたいと考えています。また、そのプレーパークの重要性を踏まえて、普及啓発事業をやっていきたい、こんなことから予算を積算させていただいております。
○近藤 ですから、すごく重要なものになってきちゃったというのがちょっと私には、何かいつからそんなすごく重要なものに位置付けられてしまったのかなという感じが、すごく何か不思議な感じなんですよね。それで、これはプレーパークは常設になっていくんですか。
○青木子ども政策担当課長 プレーパーク活動を行う地域団体の支援のみでなく、より幅広い遊びに対応するとともに、プレーパーク活動のネットワークの中心となり、人材養成などの支援を行うための拠点を整備していく必要があると考えております。プレーパーク活動の拠点の整備に当たりましては、周辺住環境への影響等の立地条件、活用可能性などを総合的に検討する必要があり、全庁的な検討を進めてまいりたいと考えてございます。
○近藤 何かもうとにかくすごい重要な事業というかになっていて、私はあまり気がつかなかったんですけど、すごい大々的な事業になっていたんだなという感じがします。それだけ気に入っているプレーパークを、区長が子育て先進区の目玉の一つと考えているのだとしても、プレーパークは他自治体でも既に行っていて、子育て先進区として中野区が注目を浴びるような先進性というのは全くないように思えますが、中野区のプレーパークは他区と比べても何か先進的なプレーパークを目指しているのでしょうか。
○青木子ども政策担当課長 区は、地域団体の自主性を基礎としまして、各地区の特色、資源を生かした地域に根差したプレーパーク活動を支援していくとともに、プレーパーク活動の拠点施設を整備していく考えでございます。併せて、プレーパークにおいて、安全確保等を適切に行うためのプレーリーダー等の養成についても進めてまいります。こうした取組を通じまして、区内全域でプレーパークを展開し、子どもの自主性や主体性、社会性やコミュニケーション能力を育むとともに、地域の交流を促進させていきたいと考えてございます。
○近藤 すみません。だから、地域ではいろいろ促進性やいろんなことやっていますって言っているんですよね。それ、いつまで言っていてもあれなんですけど。児童館で、驚くほどの高額を投じての一時預かり保育、ごく一部の人しか使えない日曜開放、ルールが見えないプレーパーク、子育て先進区だからといって、行政で何でもやってあげるのではなくて、公平なルールと基準の下、住民自治を育て、地域の中で子どもたちが愛されて育つような施策を進めていくべきと考えますが、いかがですか。
○酒井区長 区は、子どもを見守り、子育てを応援し、一人ひとりの子どもの成長を支える地域を目指していく考えでございます。そのために子育て関連団体のネットワーク構築や、活動場所の確保に向けた支援などによる子育て支援活動の活性化、世代間交流や若者の活動支援も行っております。区としては、プレーパークだけではございません。住民自治を育み、地域での新たな担い手が生まれるよう、様々な施策に取り組んでまいります。
○近藤 そうですね、プレーパークだけではなく、ほかのところもやっぱり応援していただかないと、不公平感が否めないと思います。

2,地域包括ケア体制の確立について
次に、重点プロジェクトの,地域包括ケア体制の確立について 伺います。
先日、令和3年度中野区再犯防止推進シンポジウムがなかのZEROの小ホールで開かれました。コロナ禍で、しかも前日には東京にも雪が降り、参加者にとっては、当日まで開催されるか不安な状況であったにもかかわらず、Zoomと会場両方にたくさんの参加者がありました。担当職員は感染症への対策、雪への対応など大変だったと思います。お疲れさまでした。
シンポジウムには何人ぐらいの方が参加されたのですか。
○宇田川区民活動推進担当課長 母子の皆さん、それから民生・児童委員の皆さん、町会・自治会の皆さんを中心に、会場での参加が91人、オンラインでの参加が39人で、参加者は計130人でございました。
○近藤 そのシンポジウムの講師は、身に覚えのない郵便不正事件で逮捕、起訴され、5か月間に及ぶ拘置所生活を余儀なくされた元厚生労働省局長村木厚子氏、現内閣官房孤独・孤立対策室参与でした。私も会場で講演を聞かせていただきましたが、村木氏は拘置所に収監されてしまった経験から、刑務所にいた、犯罪をした者が悪い人という人ではなく、福祉の場でよく見かけた人であったことなどを、犯罪をした者の能力検査や教育課程などのグラフを資料に示しながら説明してくださいました。村木氏の話の一番のポイントは、刑務所にいた人が生きづらさを抱えた人であり、刑務所等に送り込むのではなく、地域社会で支えていけなかったものか、まさに中野区が取り組もうとしている地域包括ケアの取組が大事であるということをおっしゃっていました。
区が重点プロジェクトとして掲げている誰一人取り残さない支援を進めていくことは、とても簡単なことではありませんが、知的障害のある方や発達に課題のある方、虐待などで安心して過ごせる居場所のない方などが犯罪に巻き込まれないようにするために、例えば知的障害の方たちが犯罪に巻き込まれないようにするための取組、犯罪に巻き込まれた場合の立ち直りを支援する取組について、現在区が何か取り組んでいることはありますか。
○河村障害福祉課長 障害者が犯罪に巻き込まれないために、区で取り組んでいることについてお答えさせていただきます。
障害者地域自立生活支援センターつむぎでは、知的障害のある方を対象に、社会におけるマナーやルール、性に関する講座やキャッチセールスについての事例を紹介するなど、犯罪やトラブル防止の取組を行ってございます。また、矯正施設などから退所した障害のある方に対しては、保護司や社会復帰調整官などと連携し、グループホーム等の住まいの場の確保や生活訓練、必要な福祉サービスの情報提供など、地域で生活できるよう、立ち直りに向けて必要な支援を行っているところでございます。
○近藤 先日の施政方針説明には、複数の箇所に中野区が区や東京都をリードしていくという決意が書かれていましたが、子育て先進区については先進的なところがまだ見えてきませんが、犯罪被害者等支援はまさに国や東京都をリードしていますので、専門機関や専門家とつながることができる再犯防止の取組も、国や東京都をリードしていける可能性はあります。中野区の再犯防止の取組は、地域ぐるみで進める地域包括ケアの取組の一環として位置付けているところが特徴ですが、村木氏も、中野区の取組を評価していました。国や都をリードしていく可能性が十分に考えられますが、いかがでしょうか。
○宇田川区民活動推進担当課長 お答えいたします。中野区は、令和2年の5月に再犯防止推進計画を策定いたしましたが、これは千代田区、豊島区に続いて、23区で3番目ということでございました。現時点も、再犯防止推進計画を策定している区というのは、大田区を加えて4区というような状況となっています。中野区再犯防止推進計画につきましては、今御指摘がありましたように、地域包括ケアの取組として再犯防止、それから犯罪をした人の立ち直りを位置付けるとともに、犯罪被害者支援の視点を取り入れたということでございます。このことによって、中野区らしい、または基礎的自治体として着実に進めるべき取組を明確にすることができたというふうに考えております。このため、現在、国ですとか東京都などからも、一定の評価を頂いている状況でございます。また、国や東京都との情報交換の中で、保護司の皆さんが中心となって社会を明るくする運動を各地域の事業として毎年実施してきたということも、他の自治体にない取組というふうなことが分かってきております。今後とも、保護司の皆さんや、見守り支えあいを担う皆さんと一緒に、着実に取組を進めていきたいというふうに考えております。
○近藤 本当に熱心な保護司の皆さんとか、本当に中野区、頑張っているところ、いっぱいあるんですよね。やっぱりそういう方をもっと大事にしていっていただきたいなと思います。多重な課題を抱えている区民、または発見者が、まず初めに相談する機関はすこやか福祉センターとなるんですけれど、高齢者や子どもなど、対象が全ての人に広がっているのに、すこやか福祉センターの職員は減ってしまっています。令和元年度、管理職3名体制から2名体制に変更、令和3年度、今年度はすこやか福祉センターアウトリーチ推進係から1名減らしています。令和元年度から4年度にかけて、すこやか福祉センターの職員の推移と、減らしている理由を教えてください。
○中谷職員課長 すこやか福祉センターの職員数ですけれども、令和元年度が133人、令和2年度が130人、令和3年度が126人で、少しずつ減少傾向で推移しています。その理由としましては、先ほども御案内いただきましたけれども、歯科衛生士を退職不補充としたことや、すこやか福祉センターに配置する職員数を精査したことなどによるものでございます。
○近藤 重層的な支援が必要な区民に対して、すこやか福祉センターを軸にして、速やかに関係機関が集まり、支援策を講じてこれからはいくべきです。地域包括ケア総合アクションプランが完成して、いよいよ令和4年度は各地において具体的な取組を進めていく段階です。今のこの減らしていく体制では、ちょっとこれでやっていけるのかなと、区の体制のことを思います。今後、すこやか福祉センターの体制強化についてはどのように考えていらっしゃいますか。
○中谷職員課長 地域包括ケアに関する具体的な取組を重点プロジェクトとして推進していくために、職員体制も強化していく必要があると認識してございます。地域包括ケア総合アクションプランの策定に合わせて、具体的にどのような業務の増加があり、どのような体制で行うため、何人の職員が本当に必要なのか、定量的な観点から十分見極めた上で対応していく必要があると考えてございます。
○近藤 再犯防止シンポジウムを例に挙げましたが、区内には、支援を必要とする人を支えようという意欲のある保護司さんや、ほかにも民生・児童委員の皆さんや町会・自治会の皆さんはじめ、多くの支援者がいます。支援を必要とする人の話を聞く、関係部署や機関につなぐ、区民に理解を求める、地域包括ケアを推進するには、多くの人を動かす職員のマネジメント能力にかかっていると思います。ぜひ対応できる組織の構築をお願いしたいと思いますが、いかがですか。
○中谷職員課長 多くの関係者を調整し、地域包括ケアを推進していくためには、個々の職員の力量を向上させることが必要でございます。職員のマネジメント能力やファシリテーション能力、課題発見能力などを向上できるような研修やOJTの実施を検討するとともに、実行力のある組織体制の構築に向けて検討を進めていきたいと考えてございます。
○近藤 本当に、ぜひそこの軸の部分を頑張っていただければ、「あれ」なんて笑いごとじゃなく、都や国をリードしていく取組ができるかもしれないんですよね。ぜひそこら辺はお願いいたします。

3、哲学堂公園保存活用計画について

 次に、哲学堂公園保存活用計画について 伺います。
令和4年度予算案に新規事業で、哲学堂公園保存活用計画の策定が予定されています。平成24年哲学堂公園保存管理計画を策定し、これに基づき、平成30年哲学堂七十七場の四聖堂、絶対城などの工事を行ってきました。当時は東京オリンピックとパラリンピックに向け、哲学堂公園も国内外から来訪者を呼び込むなどと言っていましたが、現在は工事もストップしています。現在の七十七場はどこまで修復されているのでしょうか。現在の状況を教えてください。
○林公園緑地課長 これまで神秘洞、四聖堂、絶対城、三学亭、宇宙館、哲理門の文化財の修復を完了しているところでございます。
○近藤委員 まだ、それだけなんですよね。当時、七十七場の番の修復工事には、一つひとつの工事に時間がかかっていて、これではいつになっても工事は終わらないなと思っていましたら、途中で全体の計画もストップしてしまいました。四聖堂だけでも、設計から工事まで3年間もかかっていました。これまでの文化財の修復にかかった工事内容とその経費について教えてください。
○林公園緑地課長 これまで修復した文化財の主な工事内容は、耐震補強や屋根瓦復元整備などでございまして、経費の総額としましては約2億5,000万円でございます。
○近藤 哲学堂公園は、国の指定名勝になり、今後の整備には国や都からの補助金が入るとはいえ、修復や復元にかかる工事には相当な期間と莫大な予算がかかると思います。前回の計画は、総予算額もゴールの時期もないままの漠然と、オリンピックのときまでに少しはできていればよいというような適当な計画でした。それも途中でストップしてしまいました。今回策定する哲学堂公園保存活用計画は、区全体の予算状況を常に考え、どこを整備し、それによってそれぞれにどのくらいの経費がかかるということを見極めた上で、計画のゴールをしっかりと定めた計画とすべきと考えますが、いかがでしょうか。
○矢澤文化国際交流担当課長 お答えいたします。来年度、哲学堂公園保存活用計画を検討する過程におきまして、今後の整備箇所、計画の年次などにつきましては、必要となる経費の概算見積りも行いつつ、また検討委員会での議論も十分に踏まえながら検討してまいりたいと考えてございます。
○近藤 ぜひ、どこをゴールとするというのは、本当、七十七あるんですよね。そういうものに対して、やれるところからちょっとやろうということではなくて、全体のバランスを考えていただきたいと思います。文化財としての価値も重要とは思いますが、一番大切なことは、区民にとって居心地がよい場所となるように哲学堂公園を整備していただきたいと思いますが、どのようにお考えですか。
○矢澤文化国際交流担当課長 哲学堂公園の文化財としての本来的な価値を高めつつ、また区民にとってさらなる憩いの場となるよう、保存活用計画の策定に努めてまいります。
○近藤 よろしくお願いいたします。また途中で何か終わってしまって、何か完成が、「これで終わりなの」みたいな形にならないようにぜひお願いします。

 その他で、先日の一般質問で時間がなく、不登校児童・生徒に対する質問のお答えが二つ頂けていなかったので、お答えを頂ければと思います。
質問は、不登校児童・生徒に対する研修なども行うということですが、先生には、まず不登校の子どもたちが学校に帰っていける学級づくり、不登校の子どもたちと家族たちとの信頼関係を築いていただくことと、子どもと親、双方に安心感を与えられるように取り組んでいただきたいと思いますが、御見解をお聞かせください。
○齊藤指導室長 教育委員会では、学校経営の視点の一つとして、全ての子どもたちが安心して過ごせる環境づくりや居場所づくりに重点を置くことを示しております。不登校児童・生徒に関する事例研修等を通して、学級経営や学年経営の重要性と、教師と子ども、子ども同士、保護者と教師の信頼関係の大切さを教員に伝えてまいります。
○近藤 それともう一つ、不登校の子どもたちが発信している様々な問題、いじめ、暴力、学力不振、親の問題、ヤングケアラーの問題と、決して見過ごしてはならない問いかけが見えてきます。子育て先進区を目指す中野区は、まずこの問題を注視していかなければならないと思いますが、御見解を伺います。
○齊藤指導室長 不登校児童・生徒が急増していることを受けまして、教育委員会といたしましても、最優先課題の一つと認識しております。来年度は、一人ひとりの児童・生徒の状況を丁寧に把握し、実態に合った対応策をつくるとともに、教育相談員やスクールソーシャルワーカーの増員等、相談体制を見直す予定でございます。併せて、来年度からは、各学校におきましても、不登校対応担当の教員を指名していただき、不登校児童・生徒の対応強化に取り組むことをお願いしているところでございます。
○近藤 今までちょっと子育て先進区については厳しいことを申し上げてきたんですけれど、やっぱりこれ、本当にしっかりと大変な子どもたちを支えていく区であってほしいし、子育て先進区だからといって、やっぱり過剰なサービスがあったり、そういうことではなく、私はもう根本に、一番初めにこの議会に出てきたときから、行政の仕事というのはやっぱり最低限の保障をしていくことだと思うんです。そしてみんなで支え合っていく。何か特別なことではなく、しっかり子どもたちに向き合っていくということをぜひ、教育委員会にも子育て先進区を目指している方々にもお願いして、私の質問を終わります。よろしくお願いいたします。

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